
飯田の木材加工・施工会社「小澤木材」(飯田市松尾清水)が9月20日、木材の端材を活用した体験イベントを初めて開いた。
同社は、保育園や特別養護老人ホーム、学校施設など木造大型物件を中心に施工を行い、30人を超える大工職人が在籍する「大工工事業」に特化し、木材加工や建築施工を専門としている。
工事で使う木材は、どんなに効率よく加工しても端材が発生する。特に1.5メートル以下の木材は使い道が少なく、倉庫に眠ってしまうのが課題だったという。処分に困っていた際、小学校の図工担当の教諭と縁があり、建築端材の使い道について相談したところ、「木端材は貴重な教材」になることを知り、地域住民にも木材の魅力に触れてもらうことを目的に初めてイベントを企画した。
当日は、同社の職人が端材を加工し作った棚やベンチ、丸太の椅子などの販売や10分の1スケールモデルの家を組み立てる体験、細かい端材を使ったオリジナル一輪挿し作りのほか、まきストーブサウナ体験など行った。
同社のインスタグラムで知り、伊那市から家族4人で参加した井口恭輔さん(小4)は「家の組み立て体験が楽しかった。パーツを固定する際に使ったハンマーは重たかったが、うまくできて良かった」と話していた。
同社の小澤亮太社長は「持続可能な地域社会を目指す中で、なるべく『無駄』をなくしていきたい。初めてイベントを開催し、思いのほかにぎわって良かった」と振り返る。