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飯田の高校生が大学生と遠山郷で交流 自然・文化資源を発掘し意見交換

地域成果発表会で報告する動物倫理コース

地域成果発表会で報告する動物倫理コース

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 「遠山郷エコ・ジオパークフィールドスタディ」が9月13日~15日の3日間、飯田市上村と南信濃地区で開かれた。

下栗の自然コースの発表

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 同事業は、飯田市と関係の深い大学や研究者などで構成される「学輪(がくりん)IIDA」が主催し、今年で8回目。エコパーク、ジオパークに認定されている遠山郷の自然資源に注目し、地元の専門家の案内で観察と記録を行い、参加者同士で議論を重ね、その価値や活用方法を考えるのが目的。

 今回のフィールドスタディには、都留文科大学、東京農工大学、白梅学園大学、和歌山大学、学習院大学、成城大学の6大学から24人、地元から飯田高校、飯田風越高校から4人の計28人が参加した。

 初日は、遠山郷の全体像を体感することを目的に、程野中央構造線露頭や下栗などを見て回り、所々で、飯田市美術博物館(同市追手町)の坂本正夫さんや遠山ガイドの会メンバーから解説を受けた。

 2日目は4コースに分かれフィールドワークを実施。「下栗の自然コース」では、上村下栗地区の人と自然の深い関わりについて探求。「和田宿の人と暮らしコース」では、南信濃地区の秋は街道沿いの「和田宿」について学び、残された歴史をどう生かすかについて考えた。

 「動物倫理コース」では、鹿の解体作業を体験したり、解体した鹿肉で「カレー」や「唐揚げ」を作ったり、野生動物と地域社会の問題について意見交換した。「観光コース」では、道の駅遠山郷を拠点に施設見学や利用者、遠山郷観光協会長などへのヒアリングを実施。観光地として必要なことは何かなどを話し合った。

 最終日は、南信濃地域交流センター(南信濃和田)で「地域成果発表会」を行い、グループごと2日間で学んだことを模造紙にまとめ発表した。

 観光コースに参加した東京農工大学大学院の大森和樹さん(博士1年)は「10月に道の駅遠山郷がグランドオープンを控え、現在、工事中の青崩峠トンネルが開通すれば、静岡や愛知からもアクセスしやすくなる。観光客の増加も見込まれ、にぎわいを見せる場所になるのでは」と期待を込める。

 動物倫理コースに参加した飯田風越高校の滝沢ほまれさん(1年)は「鹿の解体作業が印象に残った。いろいろな人の手が加わり、商品として私たちの元に届くことを改めて知ることができた」、同コースで飯田高校の塩澤菜々花さん(1年)は「鹿の解体作業を通じて、命の大切さを感じ、改めて食肉となる動物に感謝することを学んだ」と、それぞれ振り返る。

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