
川本喜八郎人形美術館(飯田市本町1)で7月30日、「こども写生大会」が開かれた。
同大会は、夏休み中の子どもたちに同館を知るきっかけをつくろうと毎年開いており、今年で17回目を迎えた。当日は、幼児から小学生までの児童が参加し、水を使うもの以外の画材を自由に持ち込んで、館内に展示されている人形を色鉛筆やクレヨンなどで思い思いにスケッチした。現在はNHK人形劇「三国志」の登場人物を紹介する「英雄列伝」や「平家物語」の人形が並んでおり、子どもたちは表情や衣装の細部をじっくり観察しながら写生に取り組んだ。
親子で参加した伊賀良小学校3年の大野蓮さんは「ひげがかっこよかったので選んだ。目を描くのが難しい」と話し、母親のさちさんは「自分が人形を見た印象と違い、子どもならではの視点というのが分かった」と振り返る。
例年は多いときで100人ほどが参加するという同大会。今年は初の試みとして、中学生以上を対象にした「デジタル写生大会」も8月2日に開催する。参加者は手持ちのタブレット端末などを使って人形を描き、デジタル作品として提出する。開催時間は17時~20時。「大人がゆったりと参加できるようにと、この時間帯に設定した」という。
NPO法人「いいだ人形劇センター」の木田敬貴さんは「子どもたちは自由な発想で描くことを毎年楽しみにしている。大人は表現の手法が多様で、デジタルなら加工もできるため、どんな『演出』をした作品が寄せられるのか楽しみ」と話す。
こども写生大会の作品は8月21日~10月5日、同館で展示する。デジタル写生大会の作品は、同館サイトで8月4日~9月7日に公開するほか、館内でも8月21日から同期間展示する。