
信南交通(飯田市大通)と飯田市が7月9日、「災害発生時等におけるバスの運行等に関する協定」を締結した。
信南交通は1945(昭和20)年に創業し、地域の公共交通事業を主体とし、高速バス、旅行事業なども手がける。今回の協定は、主に災害発生時において、災害応急対策のために必要な職員や携行資機材の移送や、避難者、応援職員、災害ボランティアの移送でバス車両を活用する内容。そのほか、避難所機能としての高速バス車両を使い、着替え・授乳・トイレ・休憩スペースを提供する。長野県内では個別のバス会社が防災協定を結ぶのは初めて。
同社の中島一夫社長は「災害時に貢献できることとして、中島麻衣子常務らから、女性の視点でバスをプライベート空間として使ってもらうことの提案があった」とし、中島常務は「避難所で高速バス車両に、授乳・おむつ替え、女性の着替えなどの機能を持たせることができる」と話す。中島社長は「各避難所での補助的な機能として、22台所有する高速バス車両を使うことを想定している。トイレ空間としても使え、軽油燃料あれば冷暖房も可能。プライベート空間で休んでいただくことで疲労を軽減できれば」とも。
佐藤健飯田市長は「バス会社が輸送を担うのは思い当たるが、車両を避難所のプライベート空間として使うことは、女性の視点があって出てきたこと。非常にありがたい提案」と感謝の意を述べた。
飯田市の災害協定は94例目。