
飯田下伊那の14市町村を対象とする図柄入りご当地ナンバー「南信州ナンバー」の交付が5月7日に始まった。
県内では同時に「安曇野ナンバー」の交付も始めたが、図柄入りご当地ナンバーの申請件数は15日現在、安曇野559件に対し、南信州は180件と開きがある。南信州ご当地ナンバー推進協議会の事務局を務めた南信州広域連合の吉川昌彦さんは「地域を二分する議論になるのは覚悟していた。住民アンケートで決定したことだが、さまざまな意見があるのは承知している。これから徐々に南信州ナンバーが浸透してくれれば」と焦りはないという。
地元住民からは「南信州はどこ?と思われるのが嫌」「田舎っぽい」「地図にない地名はピンとこない」「B’zファンなので松本ナンバーを維持するために新車を購入した」など意見する一方。「すぐに変える気はないが、すてきなデザインなので新車に変えた時は図柄入りを選びたい」と交付開始に合わせて取得するというより、車両買い替え時に検討するという意見が多かった。地元カーディーラーの営業担当者は「今週末くらいから南信州ナンバーの納車が始まる。ご当地の図柄入りナンバーの登録もあるが、大阪万博や横浜花博の図柄も人気で分散している」と話す。「松本と南信州が選べると思っている人もいるので、浸透はこれからでは」とも。
吉川さんは「賛否はある」としながらも、「ご当地ナンバーを通じて南信州地域の一体感を感じてもらえるよう、地域の発信ができれば」と前を向く。
南信州広域連合長の佐藤健飯田市長は「南信州ナンバーが少しでも早く地域の皆さんに親しまれるナンバーとなるよう、キャンペーンの実施などを関係機関と検討していきたい」と話す。
今後、対象地域の車両は買い替え時にナンバープレートの変更が必要。白地の通常ナンバー=1,980円、希望番号あり=4,460円、図柄入りモノクロ=9,540円、図柄入りカラーは9,540円に加え、1,000円以上の寄付金が必要。寄付金は交通安全啓発や公共交通の利便性向上、観光客の受け入れ強化などに使われる。