
ベーカリー&スペシャルティコーヒーの店「LIT.(リット)」(飯田市上郷)が4月1日にオープンする。
バリスタの下平一成さんと、名古屋市出身でバリスタ兼バーテンダーの久美子さん夫婦が立ち上げる同店は、イートインとテイクアウトの両方に対応する。コーヒーは農園や生産者、ロースターの場所などルーツが分かるコーヒー豆6種類を取りそろえ、精製方法や産地の標高、風味などを提示している。
バリスタが6種の豆から日替わりでいれる「BATCH BREW」(520円)の他に、「FLAT WHITE」(650円)などのコーヒーメニュー14種類をそろえる。ドリンクは「MATCHA LATTE」(680円)や、「自家製レモネード」(550円)など11種類を並べる。一成さんは「コーヒーを通して、農園や焙煎(ばいせん)士を知ってほしい。浅いりコーヒーのおいしさを広めたい。好きなように飲んで好みの味を見つけてほしい」と話す。
飯田市出身の一成さんは高校卒業後に製菓専門学校へ2年間通い、名古屋のブーランジェリー「le supreme.(ル・シュプレーム)」で修業を重ね、その間、専門学校の講師や講習会のアシスタントも務め技術を磨いた。その後、名古屋のコーヒー豆専門店「Q.O.L.COFFEE」で学び、独立への準備を進めてきた。
一成さんの曽祖父が煎餅店としてスタートし、時代に合わせて業態転換しながら祖父から「高松製パン」3代目の父へと引き継がれ、学校給食のパン製造や高校の購買への提供など地域での販路を開拓。「高松のアンバター入」など人気商品を広めてきた。一成さんは「父たちが新しい道を開いたように、自分も新しい道を広げていきたい」と、同店オープンまでの道のりを振り返る。
同店では自家培養酵母を使い、酸味を感じるハード系パンを中心に提供する。ルヴァン、バゲット、ライ麦を使ったパン、クロワッサンやデニッシュ、パウンドケーキ、カヌレなど20~30種類まで増やす予定だという。店内では「レバーケーゼとソーセージとサワードゥフレッドのプレート」(1,180円)や「ベーコンのエッグベネディクト」(1,400円)など数種類の食事メニューやデザートもそろえる
以前の「高松製パン」を大規模にリノベーションし、天窓から日差しが差し込む明るい店内は、入り口から奥へ進むと小上がりがあり、「落ち着いた雰囲気のエリア」も設ける。一成さんは「厨房キッチンからお客さまとの距離を近く感じられるように設計した。パンが焼ける香りやコーヒーをいれる香りも楽しんでほしい」と話す。
同店の休日前夜には、久美子さんがコーヒーを使ったカクテルを提供する夜営業も予定する。「人とのコミュニケーションが好きなので、お客さまと話しながら楽しい時間を過ごせたら」と話す。
「こだわり抜いたパンとコーヒーをペアリングして楽しんでほしい。店内でコーヒーを楽しむ時間や、テイクアウトして別の場所で味わう時間が特別なものになれば。飯田に慣れ親しんでいないものを、ここから発信していく」と、一成さんは意気込みを見せる。
営業時間は7時30分~17時(休日前は、7時30分~17時、18時~23時)。