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高森町の小学生がバスで町内巡回 「バス文化の定着」目指す

はじめてのバスたびに参加した小学生(写真=高森町提供)

はじめてのバスたびに参加した小学生(写真=高森町提供)

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 同町では、運行開始から5年目を迎える地域公共交通バス「柿丸あったかバス」の認知向上と「バス文化の定着」を目的に、町内在住の小学低学年を対象としたイベントを企画。2023年8月に1回目を開催したところ、申し込み開始数時間で定員を超える応募があったという。初回から反響が大きかったため、以後、春休みと夏休み期間中に同イベントを開き、今回で5回目を迎えた。

運賃を払ってバスに乗車

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 今回も、10人程度の定員に対し44人の応募があるなど人気ぶりを見せ、選考の結果、17人の小学3年生が選ばれた。当日は役場でバスに乗車。最初の目的地、丸山公園(高森町山吹)では新設された遊具で1時間ほど遊んだ後、「道の駅 南信州とよおかマルシェ」(神稲)の「Bread&Sweet きらら」で昼食のパンとデザートを購入。終点の下伊那厚生病院で解散となった。

 同町は起伏の激しい地形から、町民の移動手段が自家用車に著しく偏っており、高齢になってもなかなか運転免許を返納できないなどの課題があった。対策として2020年10月、主に交通の便が悪い町内の上・中段地域の住民を対象に公共交通バス(コミュニティーバス)の運行を開始。しかし、「バスに乗る文化」が定着していなかったため、最初の約2年間は思うように利用者が増えなかったという。

 そこで、幼少期からバスに慣れ親しみ、バスが身近にあるのが当たり前の環境を作ることで「バスでの移動を文化として定着させよう」と小学校低学年を対象とした「バスたび」を企画するなど、さまざまなPR活動を展開した結果、利用者も徐々に増え、2022年は年間4000人弱だったが、昨年は年間6500人を超えた。

 参加した小学生の保護者から「子どもの成長を実感できる」「子どもの自立につながる体験となっている」などの感想が寄せられている。

 高森町役場総務課の平沢元啓さんは「バスを身近で親しみのある存在として認知してもらい、通院や買い物、通学などの日常利用にとどまらず、今回の『バスたび』のような非日常的な場面の移動手段としても利用してほしい」と呼びかける。

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