
飯田下伊那のものづくり企業を地元の生徒・学生が見学する体験企画「スゴ技!モノづくりの現場を知ろう!」が始まり、飯田女子高校の生徒2人が3月11日、薄膜製品と光学部品を製造する「コシブ精密長野工場」(松川町元大島)を見学に訪れた。
主催は南信州飯田産業センター内の共同受発注グループ「NESUC-IIDA(ネスクイイダ)」。開催は昨年に続き3回目。地元の高校生、短大生、専門学校生と保護者を対象に、飯田下伊那のさまざまな業種の34社が参加する。3月12日時点で、見学は10回以上行われている。
飯田女子高2年の清水七星(ななせ)さんと代田萌(もえ)さんに、同社の荻原太一社長が、同社の成り立ちや歴史、概要などを紹介。同社は1964(昭和39)年、東京都豊島区で太一さんの父、正義さんと伯父、久さんが「萩原光学目盛彫刻所」を設立。その後、正義さんの生まれ故郷である大鹿村と隣接する松川町へ長野工場を新設したのが1974(昭和49)年のこと。太一さんは生徒に向けて、「『ものづくりっていいな』と感じたことが入社のきっかけだった」と、自身の進路について紹介した。
社名の由来や同社製品ガラスのロータリーエンコーダスリット板が使われている製品など、クイズ形式でも説明。続いて、同社商品を製造する工場見学も行った。萩原社長は「さまざまな選択肢の一つとして当社を見てもらえれば。実際に見て『面白いな』と感じてもらえる機会が増えたら。お客さまに製品から喜んでもらえることが、ものづくりの魅力」と話す。
代田さんは「学校からの紹介で訪れた。インターネットなどで調べると写真は出てくるが、実際に来てみないと雰囲気は分からない」と見学のきっかけを話す。
清水さんは「精密という名前なので繊細だなと感じた。調べるだけでは直接聞けないが、訪れると会社の方に質問ができる」と感想を話す。2人は「地元に就職したいが、どこにしようかと今は考え中」と口々に話す。
ネスクイイダでは同企画への参加を呼びかけている。見学希望者は専用フォームから申し込むか、企業へ直接電話する。見学期間は3月31日まで。