
阿智村の昼神温泉(阿智村智里)で3月8日、18回目となる「湯屋守(ゆやもり)様」のおたき上げが行われた。
湯屋守様は、同温泉の守り神「湯屋権現(ゆやごんげん)様」が1年の疲れを癒やすために温泉に漬かる間、温泉街を守るとされる存在。わらで作られた高さ1~2メートルの像で、大きな目で厄や悪いものをにらみつけ、大きな口で災いを食べるとされている。昨年12月の「降神祭(こうしんさい)」で設置され、約3カ月の間、温泉街を見守ってきた。
今年は「石苔亭いしだ」「グランドホテル天心」など11の温泉施設の前に設置し、全ての湯屋守様は「横前造園デザイン事務所」(飯田市座光寺)が制作した。
おたき上げの神事は例年3月の第1土曜日に行われるが、今回は第2土曜の3月8日に実施。火が入れられると湯屋守様は勢いよく燃え上がり、集まった温泉施設の利用客や地元住民からは「すごい」「きれい」「温かい」などの声が上がった。燃えた後に残った灰を体に塗ると、1年間、無病息災のご利益があるとされ、観覧客は互いの顔などに灰を塗り合う様子も見られた。
同実行委員会事務局の吉川隼介さんは「お客さまに喜んでもらいたいという思いが大きい。今後も旅館や施設同士のつながり、地域の盛り上がりになれば」と期待を込める。