飯田下伊那地区で配送業を営むサワヤ(飯田市上殿岡)が12月24日、地元洋菓子店3店舗(ポルカ・ホタペストリー・マロン)の協力で市内の児童養護施設へクッキーを届ける「クッキーの輪」プロジェクトを行った。
同社は今年、クリスマスケーキのデリバリーを開始。配送を通じて「どうしたら皆が笑顔になれるか」を考え、海外のクリスマスの伝統「クッキーアンドミルク」を参考に「クッキーの輪」を考案した。「クッキーアンドミルク」はクリスマスにプレゼントを配るサンタクロースに、子どもたちがクッキーとミルクを用意してサンタクロースをもてなすという話。「クッキーの輪」は、同社のサンタクロースがクリスマスケーキ購入客の自宅に配送した際、購入客がサンタクロースへクッキーを手渡し、満腹のサンタクロースがそのクッキーを児童施設にプレゼントするというストーリーのプロジェクト。
同社経営企画室の原芳菜室長によると、今年初めて行う企画のため、協力した地元洋菓子店でケーキを購入すると自動的にクッキーが付いてくるシステムにし、180個のクッキーを集めることができたという。24日・25日に同社が用意したクリスマスケーキを市内の児童養護施設2施設(風越寮・おさひめチャイルドキャンプ)に配送。その後、かざこし子どもの森公園で11月に行った「IKUIKUフェス」で子どもらがデコレーションしたクリスマス専用車両に乗ってサンタクロースが現れ、子どもらにクッキーを配る。同プロジェクトは商標登録出願中で、「飯田から全国に広がれば」と原さん。
24日当日は風越寮(砂払町)の児童24人がクリスマスケーキ4個をうれしそうに受け取り、おやつの時間に味わった。その後、現れたサンタクロースが子どもら一人一人にクッキーを配ると、子どもたちに笑顔の輪が広がった。25日はおさひめチャイルドキャンプへ配送する。
原さんは「ケーキの配送が初めてで今回は市内で実施したが、来年以降はエリアも施設の数も拡大して輪を広げていきたい」と意気込む。
風越寮施設長の矢野淳司さんは「児童養護に関心を持っていただける方が増え、支援の輪が広がるのはうれしい」と話す。
サンタクロースに扮(ふん)したサワヤグループCEOの倉沢孝平さんは「クッキーの輪を通じて子どもたちを笑顔にしていきたい」と思いを話す。