松本国際高校通信制飯田校や飯田特進会(共に飯田市鈴加町)を運営する奥村友明さんが、8月に入り、いわゆる「引きこもり」の子どもたち向けに仮想空間のフリースクール「飯田メタバース学習会」を立ち上げた。
奥村さんは、不登校の子どものうち6割がフリースクールなどに通い、4割が家に引きこもっている現状を知り、「驚いているが、何とかしなくては」という気持ちになったという。コロナ禍の中、Zoomでのオンライン講義を行うことが当たり前となった現在、引きこもりの子どもたちをリアルな社会に出していくにはどうすればいいか考え、仮想空間でリアル社会が体験できるフリースクールがいいのではという考えに至ったという。
「引きこもってゲームをしているのであれば、メタバースという一種のゲーム空間が社会復帰への導火線にならないか」と奥村さん。既存のメタバースシステムを活用して、ゲームで始まり、社会ルール、投資、情報リテラシーなど学校では習わないような事を体験したり、共通の趣味や話題からコミュニティーを形成したりできる。さらに学習意欲が高まれば勉強へつなげていく内容。
7月には松本国際高校通信制飯田校の子どもたちが体験し、一定の手応えを得たという。
このシステムを使えば全国どこでもつながるが、最終目的は「リアルな社会に出て活動してもらうこと」。いずれは同校に顔を出してコミュニケーションを取っていくのが理想だということから、入校の範囲を飯田下伊那限定にした。奥村さんは「親も大変な思いをしている。子どもの引きこもりなどで困ったことがあれば、一度相談を」と呼びかける。