企画展「刀剣が語る幕末の歴史」が4月27日、高森町歴史民俗資料館「時の駅」(高森町下市田)で始まった。
昨年、刀剣コレクターの佐藤肇祐さん(松本市在住)から、知人で空手禅道会師範の小沢隆さん(飯田市出身)に「高森町で刀を展示したい」と相談があり、町内在住の小沢さんの知人を介して、佐藤さんが壬生照玄町長と面会し快諾を得た。その後、同館へ展示を依頼。今年は幕末に水戸浪士「天狗党」の一行が京都を目指し伊那谷を通過して160年の節目でもあり、佐藤さんが収集している刀も関連することから、今回の企画展が実現した。
水戸浪士「天狗党」の首領、武田耕雲斎や新選組初代局長の芹沢鴨、副長の土方歳三の刀、伊那谷行軍中に山吹で隊を逃げ出した郡司照光が、高橋家に身をかくまってもらった際、お礼に置いていったとされる刀など、佐藤さん所蔵の刀をはじめ、飯田市在住の刀剣コレクターや同館所蔵のものを合わせ14振りを展示。
茨城県から足を運んだ篠本圭司さんは「SNSで開催を知り、電車を乗り継いで来た。出身地が近い芹沢鴨の刀など見ることができて良かった。新選組が好きで、2、3年に1回のペースで武田耕雲斎の墓参りに敦賀へも行っている」と話す。
塩沢元広館長は「刀は以外にも山岡鉄舟や高橋泥舟が書いた掛け軸なども展示している。天狗党が伊那谷を通過した時、この地域でどのような動きがあったのかも知るきっかけにしてほしい」と呼びかける。
開館時間は9時~16時30分。月曜と祝日の翌日休館。入館料は、大人=200円、小中高校生=100円。展示説明会を5月19日の14時から開く。6月9日まで。