「第11回野底山森林公園さくら祭り」の開催に合わせ、公園内の史跡や自然などについて学ぶウオーキングイベント「野底物語をあるこう」が4月21日、野底山森林公園(飯田市上郷黒田)で開かれた。主催は上郷公民館。地区内外から40人が参加した。
当日は、ふるさと学習講座を展開している同館「地域を育む委員会」の篠田欽一さんが講師を務めた。参加者は配布された学習用パンフレットを見ながら篠田さんの説明に耳を傾け、メモを取る姿も見られた。小鳥の森樹木園では、公園で見られる鳥のイラストが描かれたあずまやを見学。季節によってメジロやモズ、シジュウカラ、ホオジロなどが見られる。
江戸時代中期に起きた山論(=山に関した争論)によって建てられた「元禄山論の碑」などの史跡を巡りながら、山道を歩きパノラマ展望台を目指した。頂上に到着すると「木の根元付近の傷痕は大東亜戦争の時にできたもの」と篠田さん。1944(昭和19)年ごろ、戦況の悪化で航空燃料が枯渇し、「松根油」を代替燃料として実験を繰り返し行ったが失敗に終わり「松やに」からも採取を試みたが実用化まで至らなかったという。今でも野底山の松林には当時の「松やに」を採取した切り傷がV字に残ってる場所もある。
下山後、公園内の施設について篠田さんから「姫宮林間学校は昔、高陵中学校だった。以前の公園管理事務所は、心身を鍛錬する道場として使われていた」と説明があり、参加者からは「そうだったんだ」「知らなかった」などの声が聞かれた。
上郷小2年の徳山紫音さんは「展望台からの景色がきれいだった」、同小5年の和田空樹さんは「展望台に上るのが大変だったが、いろいろ学べて良かった」、5年の唐木若羽さんは「自然のことや動物の足跡を発見できて楽しかった」と、それぞれ振り返る。