飯田下伊那のものづくり企業を地元の生徒・学生が見学できる体験企画「スゴ技!モノづくりの現場を知ろう!」が3月1日、始まった。主催は南信州飯田産業センター内の共同受発注グループ「NESUC-IIDA(ネスクイイダ)」。
地域の学生が地元企業の仕事内容を見学する企画で、昨年に続き2回目。昨年は、飯田OIDE長姫高校の生徒を対象に行ったところ好評だったため、今回は対象を地元の高校生、短大生、専門学校生と保護者へ広げ、飯田下伊那のさまざまな業種の33社が参加する。
ソフトウエア開発などを手がける「ロジカランド」(飯田市上郷)に3月5日、飯田高校2年の小林亮太さんが訪れた。高校卒業後は進学を目指しているという小林さんは「興味のある仕事を見学できる機会はなかなかない。飯田に暮らしながら、IT関連の仕事をリモートで可能かどうかなど、イメージできないことが多いので参加した」と見学の動機を話す。
2012(平成24)年創業の同社はクリエーティブ制作にも取り組み、プログラマー、SE、エンジニア、デザイナーなど36人の従業員が在籍する。小林さんの見学当日は同社オフィスで、仕事の依頼内容や流れ、制作方法や過程など、現在進行している5つのプロジェクトそれぞれについて、1時間ほど従業員が説明した。
社長の青木伸介さんは「この企画へ従業員の皆が協力してくれている。小林さんは仕事内容を熱心に聞いてくれて、多くの質問をしてくれたのもうれしい」と振り返る。見学を終えた小林さんは「仕事内容が幅広く驚いた。働き方も悩んでいるが『東京で経験を積むことも大事』と教えていただき、自身の気持ちも見えてきた」と話す。
青木さんは大学卒業後、10年ほど東京のソフトウエア開発関連会社に務め、30~40代では飯田と東京を行き来しながら仕事をし経験を積んだという。現在も東京との行き来が多く、関東からの仕事依頼が全体の多くを占めるという。「仕事に可能性を感じている。地方に拠点を置き、東京の仕事ができるのは良い環境であること。これから就職する方の受け皿になっていきたい」と、飯田で仕事をする魅力を伝える。
ネスクイイダでは同企画への参加を呼びかけている。見学希望者は専用フォームから申し込むか、企業へ直接電話する。見学期間は3月29日まで。