飯田下伊那の歴史や文化、自然などについて学ぶ研修講座「赤門スクール」の特別編が1月21日、飯田合同庁舎で開かれた。南信教育事務所飯田事務所と南信州地域振興局の共催。
同スクールでは本年度、「飯田下伊那の学び」をテーマに4回シリーズで、講座を開講。今回は特別編として「再発見・南信州伝統芸能の価値を探る」と題し、柳田國男館記念伊那民俗学研究所の所長を務める国学院大学名誉教授の小川直之さんが講師を務めた。スライドを使いながら、飯田下伊那地域に多種多様な祭り・芸能がある2つの特色を紹介した。
南信州地域に伝わる祭りや民俗芸能の歴史は、平安時代までさかのぼる内容を持ち、室町時代に盛んになる祭り・芸能、江戸時代に広がる祭り・芸能が残っていることから、南信州は「日本の祭り、芸能文化史の縮図と言える」と解説。開催時期については、新野の雪祭りや盆踊、和合の念仏踊などを例に挙げ、「季節と時の変わり目を特徴づける祭り・芸能がそろっている」ことから「南信州の祭り、芸能には五季(ごき)がある」と小川さん。
当日はオンライン参加を含め約120人が受講。会場では小川さんの説明や解説を聞きながら熱心に配布された資料にメモを取る参加者の姿も見られた。チラシを見て参加したという市内在住の30代女性は「小川先生の話を聞いて、実際に飯田下伊那地域の祭りや芸能を見に行きたくなった」と話す。
南信教育事務所飯田事務所の内田総一郎さんは「オンライン参加者の中には県外の人も多数いて驚いた。南信州地域の祭りや民俗芸能の魅力が伝わったのでは」と振り返る。