ゲームを通じてSDGsや地域の環境について考える「2030SDGsカードゲーム体験会」が10月12日、ムトスぷらざ(飯田市東和町2)で行われた。
主催は、飯田市、南信州地域振興局、飯田信用金庫から成る「うごくる。」。同市が都市像として目指す「環境文化都市」の実現を目指し、SDGsの普及・啓発を行い、本年度よりカードゲームをはじめとするワークショップ「うごくる。ゼミナール」を開いている。
このカードゲームは、「貧困をなくそう」「気候変動に具体的な対策を」などSDGsの17の目標を達成するため、現在から2030年までを体験するもの。プレーヤーは個々に与えられた「ゲーム内通貨を一定数以上集める」「時間のカードを一定数以上集める」などの目標を制限時間内に達成するため、他のプレーヤーとカードを交換したり、譲渡したりしながらゲームを進める。その際、全員で共用する、「経済」「環境」「社会」という世界の状況を表す値も変動し、ゲーム終了時には「個々の活動が世界にどんな影響を与え、どんな世界になったのか」が可視化される。その後、ゲーム内容を振り返り、地域の現状に当てはめ、自分たちにできることなどを考える時間も設ける。
当日は、地域の製造業、食品業、金融業などの事業所から14人が参加した。体験を終えた岩崎伸二さんは「自分一人ではできることが限られ、他者との交流を通じて現状を変えていくことを学んだ。SDGsは、どこか遠い存在だと思っていたが、自分や家族など、身近なことだということも分かった」と振り返る。講師を務めた佐藤利春さんは「SDGsは、新しい生活へのきっかけ。消費中心の生活から、思いやりの世界になれば」と話す。