秋田県仙北市に拠点を置く「劇団わらび座」によるミュージカル「北斎マンガ」が9月3日、飯田文化会館(飯田市高羽町5)ホールで上演された。
同演目は、江戸時代後期に活躍した絵師、葛飾北斎と周囲の人々を中心に「富嶽三十六景」がどのように完成したかを描く。本編が始まる前には、同劇団の拠点が秋田県ということで、なまはげをモチーフにしたキャラクター「なまはげ太郎」が登場。同県の魅力などをユーモアも交えつつ紹介し、会場を沸かせた。
脚本・演出はNHK連続テレビ小説「まんてん」の脚本も担当したマキノノゾミさん。現代的な表現も多用し、「Now Loading」と書かれた幕を場面転換に用いたり、物語の展開を登場人物が漫才風に紹介したりする場面では会場が笑いに包まれた。クライマックスの「富嶽三十六景」が完成する場面では、感動ですすり泣く声も聞かれた。
同館の白井美樹さんは「集中して観劇いただいた。場面ごとの反応も大きく、出演者がグッズ販売に並んだ終演後のロビーも盛況だった」と振り返る。
わらび座飯田公演実行委員長の井坪隆さんは「演歌に、ロック、ヒップホップと、さまざまなジャンルの音楽も楽しめた。また、わらび座を呼ぶことができる機会を設けられれば」と期待を寄せる。