飯田駅前図書館(飯田市東和町2)で5月26日・27日、飯田下伊那に在住・在学の中高生を対象とした「自分の本棚を作ろう」が開催された。
同館は、飯田市立中央図書館(追手町)のサテライト図書館として昨年5月、「丘の上結いスクエア」の中にオープン。年間を通して本に関するイベントを行っていく予定で、今回は第1弾として企画。利用者が新しい本と出会うきっかけになればとの思いを込める。
26日は飯田風越高校の2年生3人、27日は高陵中学校(以上、上郷)の2年生1人が参加。自分の本棚で紹介する本のテーマを決め、同館に所蔵する約1万冊の中からテーマに合わせた本を選んだ。画用紙やマスキングテープ、マジックなどを使い本棚紹介のPOPを作成。展示スペースの本棚へ選んだ本をブックスタンドに立てかけたりしながら自由に並べた。
同校では探求学習の一環としてフィールドワークを実施しており、今回参加した3人は共に中央図書館を訪問。その際、イベントのことを知ったという。
片桐萌々香さんは、独特な世界観が好きで愛読している「村上春樹」をテーマに選んだ。本棚では「IQ84」シリーズや「騎士団長殺し」を紹介。この他、建物がきれいで好きになり「旅行に行くことが夢」と話す「イタリア」の景観などが掲載されたグラフィック本も並べた。
内山実花さんのテーマは「私的、ぐっとくる小説」で、自分の世代に近いような物語の小説を選んだ。小学生の頃に出合った、あさのあつこさんの作品から「ガールズ・ブルー」、中学生時代に何度も読んだ草野たきさんの「リボン」など4冊を紹介。
市瀬凉さんは「本の世界の冒険」をテーマに選んだ。「キノの旅」「この素晴らしい世界に祝福を」「ヨーロッパの美しい路地裏」など8冊を紹介。市瀬さんは「キノの旅は長く続いている小説で、どこから読んでも面白い」と話す。
高陵中の男子生徒は「理数は実は面白い」と「伝承を超えた進化の折り紙、現代折り紙」をテーマに13冊を紹介。母親と妹も一緒に参加しPOPなど作成した。
同館職員の宮内萌さんは「参加した中・高校生が楽しそうに本を選んでいる姿を見てうれしくなった。本棚で紹介している本は貸し出しできるので、ぜひ読んでもらえれば」と呼びかける。展示は6月末まで。
同館は8時30分~22時に利用できるが、司書が不在の時間帯は利用できない棚もある。図書館司書が駐在しているのは、月曜・水曜・金曜=15時~20時(祝日は不在)、土曜・日曜=10時~18時(祝日も駐在)。