飯田職業安定協会とハローワーク飯田が4月28日、エス・バード(飯田市座光寺)で「ふるさと合同企業説明会2024」を開催した。
飯田下伊那の企業70社が参加し、来年3月卒業予定(大学・短大・専修学校など)の新卒者と3年以内の既卒者を対象に、人事担当者が会社の説明や求人条件などの詳細を説明した。説明会の前にはハローワーク飯田が就活支援セミナーを開いた。
近年はコロナ禍で対面での面接や企業説明会などが難しかったことから、今年に期待する企業や学生も多い。一昨年は50社、昨年は64社と年々参加企業も増えているが、人事担当者からは「コロナ禍で減らしたり採用しなかったりした分、今後人材の確保が課題」との声も多く聞かれた。
例年は100人前後の学生の参加があり、開場前、飯田職業安定協会は「ゴールデンウイーク前の金曜に設定したので、地元から都会の大学へ進学した学生も帰ってきやすいのでは」と期待したが、79人の参加にとどまった。
地元短大の伊藤梨紗さんと熊谷未来さんは「魅力的な企業がいろいろあった。食品系の勉強をしているので、これから自分に合った会社を見つけたい」と笑顔で話していた。地元専修学校の安田廉さんと坂野琉真さんは「地元就職を希望している。初めての機会だったので緊張した」と、説明会が終わり、ホッとした表情を見せた。
ハローワーク飯田の岩松勝所長は、地域の雇用情勢として、「3月末時点の有効求人倍率は1.63倍で32カ月連続の1倍越え。県内で人手不足と答えた企業の割合は17カ月連続で5割を超える状況」と説明し、「約7割といわれる県外進学者に、いかにして戻ってきてもらうかが課題」という。興亜エレクトロニクス総務グループプロフィットマネジャーの村松健三さんは「人材のニーズはあるが、例年より厳しかった。飯田から遠いという地の不利はあるが、工場見学などで企業の魅力を伝えていければ」と前を向く。
6月6日には高校3年生と教職員を対象とした企業説明会を開く予定。