飯田市は、4月から乗合タクシー竜東線で2台のEV車両を導入し、運行を開始した。
乗合タクシー竜東線がEV化 ゼロカーボンシティーへ向けた取り組みで
乗合タクシー竜東線の運行事業者である南信州広域タクシー(通称アップルキャブ)は、EVタクシー(日産リーフ)を2台導入。飯田市が公共交通からの「移動手段の脱炭素化」を図るため、乗合タクシー竜東線での運行を始めた。また、災害時などの非常時には給電車として活用するため、同社が可搬型外部給電装置を1台導入した。
アップルキャブは2011年(平成23年)、北陸信越運輸局管内で初めての業務用EVタクシー(初代日産リーフ)の運行を開始した。しかし、航続距離の問題でタクシーの営業的には困難だった為、6年程使用して手放した。今回の新型車両は航続距離が150キロ~200キロ程に延びた為、再び導入を決め今回の公共交通への導入に至った。アップルキャブの代表取締役 鈴木佳史さんは「2050年カーボンニュートラルを目標にしている飯田市の道路で、化石燃料を使用してCo2を排出している事業者として、率先してCO2排出ゼロを先導していきたい」とあいさつした。
アップルキャブは、本社(飯田市上殿岡)の屋根に設置した太陽光パネルで発電した電力をEVタクシーに使用しているため、完全CO2排出ゼロのゼロエミッションタクシーだとしている。また、鈴木社長は「タクシーとして移動を提供するだけでなく、災害時に蓄電池として利用することで地域の皆様の安心度アップにも貢献できれば」と語る。
令和3年3月19日に「2050年いいだゼロカーボンシティ宣言」をした飯田市は、ゼロカーボンシティへ向け様々な施策を試みている。今回の出発式の冒頭で佐藤健市長は「これからの時代にマッチした取り組み。運輸部門のCo2排出は20%以上を占めている。ゼロカーボンシティ、災害に強いまちづくりという観点では大事な取り組みだ。アップルキャブの先進的な取り組みにたいへん感謝する」とあいさつ。同市は今後も公用車のEV化、EV車の補助事業など整備していく予定だ。