「オーケストラと友に音楽祭2023」開催に先駆け、「音楽クリニック」が4月9日、飯田文化会館(飯田市高羽町)で開催された。
名古屋フィルハーモニー交響楽団(名古屋市中区)の楽団員を飯田へ招き、中学・高校の吹奏楽部など地元で音楽に取り組むメンバーに音楽指導を行う「音楽クリニック」は3月に始まり、5月4日の「クリニックコンサート」に向けて練習を重ねる。中学生吹奏楽コース・高校生吹奏楽コース・弦楽合奏コース・弦楽器初心者合奏コース・大人の吹奏楽コースと5つのコースがあり、それぞれに課題曲を設け、受講生たちはクリニック前に楽譜を受け取り個人練習にも励む。
クリニック当日の高校生吹奏楽コースは、楽器ごとに分かれパートでの指導と練習が行われた。2時間30分のクリニックの中で受講生は、トランペット奏者の井葉野晃暢(いばのあきのぶ)さんから「体を起こす、指の運動、舌を起こす」と演奏に入る準備段階から実技を交えながら指導を受け、ロングトーンやタンギングの練習を重ねた。
フルート奏者の大久保成美さんは、課題曲「マードックからの最後の手紙」を小節ごとに区切り受講生と演奏。「丁寧に吹いて、音を覚えて、着実に演奏する。テンポを楽譜に合わせるのは演奏会直前でいい」と、受講生へ指使いや息の入れ方などを指導した。
クリニックを受講したフルートパートの高校3年生は「高音がズレてしまうことがあったが、『変え指』を習ったので、自分ならどのやり方がいいか練習を積みたい」と話していた。トランペットパートの高校3年生は「普段からプロの音に触れ合うことはなかなかない。新鮮で楽しい時間だっだ」と振り返る。
5月3日~6日に開催される「オーケストラと友に音楽祭」は今年で15回を数え、4年ぶりにコロナ過前と同様の規模で開催。「音楽を楽しもう、学ぼう、もっと身近に」の3つの柱で構成し、クラシック音楽を気軽に楽しんでもらおうと、飯田文化会館をメイン会場として飯田下伊那各所で演奏会を予定している。