地域史研究の最新の成果をまとめた研究雑誌「飯田市歴史研究所年報20号」が昨年12月末、刊行された。
同年報は、飯田市歴史研究所(飯田市鼎、TEL 0265-53-4670)が毎年発行している研究雑誌で、同研究所所属の研究員や飯田下伊那地域の歴史や人物などについて調査・研究している市民研究員らの研究成果をはじめ、論文、研究ノート、史料などを収める。
第20号の特集は、2021年9月に開催した地域研究集会の成果をまとめた「くらしの中の景観-その歴史と継承」。普段生活する中で何気なく見ている風景や景観がどのような歴史の中で出来上がってきたのかなどを掲載。小特集は、江戸時代の後半、幕末の頃に活躍した女性2人を取り上げた「下伊那の宗教文化ネットワーク ~松下千代と松尾多勢子を中心に~」で、同地域の宗教・思想・文化の特質を探った内容となっている。
特集には、イタリアや中国の景観の歴史などを研究している研究員も関わっており、その研究員目線で飯田下伊那の景観について著したほか、小特集では、アメリカで松尾多勢子の研究を行っているアン・ウォルソールさんが執筆を担当しているという。年報には英文と日本語訳も掲載する。
同研究所の羽田真也さんは「グローバルな視点と地元からの視点で構成されているので、ぜひ購入して読んでみてほしい」と呼びかける。
定価は2,100円。開所時間は9時~17時。休所日は月曜・日曜・祝日と12月29日~1月3日。