飯田出身で明治時代に活躍した日本画家・菱田春草の「かるた」が8月末、完成した。橋北まちづくり委員会や春草公園を愛する会、まるごと博物館研究会、橋北面白倶楽部と橋北公民館で構成する「春草かるた制作実行委員会」が制作した。
没後110年に当たる2021年に飯田市美術博物館で特別展が開かれ、力を入れて取り組んでいたことから、春草を生んだ橋北地区でも何かできないかと考えたのがきっかけ。2021年7月~12月に地区内外から「読み札」を募集。101人から応募があり、作品総数は695点に上った。
予想以上の応募の多さに同実行委員会のメンバーも驚きを見せ、全国の春草ファンからの応募もあり、うれしさの反面、選考にも苦労したという。選考会は、同実行委員会メンバーや浜井場小学校教頭、美術博物館の専門研究員ら11人で行った。
かるたの「取り札(絵札)」のイラストは、飯田市出身のイラストレーター・北原志乃さんに依頼。決定した読み札を元に橋北地区のイメージを聞き取りながら絵札を制作。一枚一枚、優しいタッチと淡い色使いで菱田春草の名画や生誕地の様子が描かれている。
同公民館主事で事務局の平田玖留実さんは「多くの方に愛され、思いのこもったかるたになった」と話す。今後は、同公民館の講座や「春草語り部講座」の教材、広報活動などで活用していく予定。10月15日に同公民館でお披露目し、13時から、かるたを使った大会も開く。