国の選択無形民俗文化財に指定される「黒田人形浄瑠璃」の奉納上演が4月4日・5日の2日間、黒田人形浄瑠璃伝承館と下黒田諏訪神社内の「下黒田の舞台」(飯田市上郷黒田)で行われた。
元禄(げんろく)年間(1688~1703年)に記録があり、同市上郷黒田地区に伝わり300余年の歴史を持つ伝統芸能「黒田人形浄瑠璃」。一体の人形を主遣い(しん)、左遣い(さし)、足遣い(あし)の3人で操る「三人遣い」、太夫(たゆう)の語りと三味線の伴奏に合わせて動くのが特徴。専用舞台「下黒田の舞台」は昨年、国の重要有形民俗文化財指定から50周年を迎え、春の奉納公演のみで使われている。
初日の4日は18時から黒田人形浄瑠璃伝承館で宵祭りを行い、天下泰平、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る儀式「三番叟(さんばそう)」、病で失明した夫を支える妻との夫婦愛を描いた「観音霊験記~壺坂寺の段」、大坂夏の陣を題材に徳川氏をはばかり鎌倉時代の登場人物に置き換えた「鎌倉三代記~三浦別れの段~」を上演した。
2日目の本祭は「下黒田の舞台」で行い、初日と同じ外題に加え、高陵中学校黒田人形部が「生写朝顔日記~宿屋より大井川の段~」を上演。同校の黒田人形部は50年以上の歴史を持つが、本年度からの部活動の地域移行に伴い、黒田人形保存会員として活動していくという。
関東出身で結婚を機に飯田市に移住した女性は「昨年、人形劇フェスタに初めて参加し、黒田人形のような歴史的な人形文化が基盤にあることを知った」と話す。市内から訪れた女性は「これまで機会がなかったが、初めて見ることができた。保存していく大変さも感じた」と話していた。
黒田人形座長の清水謙一さんは「部活動の地域移行が始まり、これから子どもたちの保存会員も増えてくる。地元の伝統芸能を理解し、継承していくことが重要」と話す。