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世界の持続可能な観光地トップ100選に「南信州」 農家民泊の取り組み評価

農家民泊 いろりを囲む外国人たち

農家民泊 いろりを囲む外国人たち

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 南信州観光公社(飯田市座光寺)が10月8日、国際認証団体グリーン・ディスティネーションズ(オランダ)主催の「世界の持続可能な観光地TOP100」(GDTOP100)に「南信州」が選ばれたことを長野県庁に報告した。

修学旅行で農家民泊に来た生徒たち

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 「GDTOP100」は持続可能な観光の優良事例を世界から選出する国際的な表彰制度で、サステナブルツーリズムの定義に沿い、UNWTO(国連世界観光機関)の基準に基づいて認証を行うもの。地域資源の保全や住民参加型などの取り組みが評価対象になり、全世界から100地域が選ばれる。今年は日本から10地域、そのうち長野県から千曲市を含む2地域が選ばれた。

 長野県内では一行政単位ではなく広域で認められた地域は今回が初めて。「南信州」として申請に参画したのは飯田市・松川町・高森町・喬木村・豊丘村・大鹿村の6市町村と「南信州まつかわ観光まちづくりセンター」、「豊丘村観光協会」の2つの一般社団法人。南信州は1998(平成10)年、全国に先駆けて農家民泊の受け入れを始め、これまでに延べ20万人が体験。コロナ禍や農家の高齢化という課題に直面しながらも、Iターン者や新規参入も増え、地域文化として定着した取り組みが高く評価されたという。現在は16市町村をまたぐ広域で約100件の農家が参加する。

 南信州の広域連携で取り組みを進めてきた「南信州観光公社」の佃賢次さんは受賞報告について「うれしかった。サステナブルツーリズムをずっとやってきた地域で、南信州を世界に認めてもらえる機会になった。これからがスタート。地域内の方にも誇りを持ってほしい。このチャンスを地域内外で活用したい」と意気込む。

 今後は世界的に露出する場面が増え、この地域への視察が増えたり、人材の獲得効果があったりするなどメリットは大きいという。佃さんは「個人や海外などにもアプローチしていく。体験ベースの地域密着型観光を広げていきたい」と先を見据える。

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