
松川町上新井区にある大洲七椙神社(松川町大島)で10月4日・5日に開かれる秋季例祭で開かれ、高校生4人が巫女(みこ)舞「豊栄(とよさか)の舞」を奉納する。
同神社には、同町の天然記念物に指定されている樹齢約1000年の杉の巨木7本がそびえ立ち、病害虫にも侵されず生き続けることから「病まない」「枯れない」「倒れない」として、健康長寿のご神木としてあがめられている。
昨年からは、この神聖な境内で地元の高校生による巫女舞奉納が始まった。今年は、ダンス世界大会「Show Stopper 2025 final」で総合優勝した同町在住の細江空良さんをはじめ、豊丘村在住の三石琴音さん、同町出身の西條美咲さん、同町出身の片桐ひなたさんの4人が舞を披露する。細江さんと三石さんは昨年に続いての参加で、地元のダンス教室「LOP dance company」に所属する。
奉納する「豊栄の舞」は、「乙女の舞」とも呼ばれ、森羅万象の神々への感謝と敬意を込めた所作が特徴。静かな所作を通して、心を整え、神前に舞を届ける。
初参加の片桐さんは「小学生のときに『はな踊り」を経験していて、また参加したいと思った。普段よりゆっくり動くので難しい」と話す。昨年は留学中で参加できなかった西條さんは、今年が念願の初奉納となる。「神様に奉納するので、正しい所作を意識して練習してきた」と意気込みを見せる。将来は神社に関わる神職の道へ進みたいという思いを持ち、「装束がとても美しいと感じた。所作は難しいが、大事な部分がいくつもあるので、練習を重ねて神様へ奉納したい」と話す。
細江さんは、普段はダンス教室でジャズダンスに取り組んでおり、「ストーリー性があり、パッパッと動くことが多い」。一方で巫女舞は「一定の動きの中で、常に平常心でいることが大切」とし、「昨年初めて舞に参加して楽しかったので、今年もぜひ奉納したいと思った」と話す。
当日、「浦安の舞」を奉納し、今回の指導に当たるのは、同神社の禰宜(ねぎ)も務める坂井美喜さん。9月27日の初回練習では、「拍をいっぱいに使って、止まっていることがない踊り。そうするためには、膝を曲げて腰を下ろすこと。手や榊(さかき)を動かし、目線は、動いているものを追うように」などと、所作の基本から細かく指導した。
三石さんも「普段のダンスとは違うが、楽しみながら舞いたい」と話し、4人は本番に向けて練習を重ねている。
舞は、夜祭(4日18時~)、昼祭(5日14時~)で、舞を奉納する。一般見学可能。