
「cafe&BBQ KiT」(飯田市正永町)9月6日で1周年を迎えた。
飯田のシンボル風越山麓の高台に位置する同店。店主の宇井勝久さんは「ダイニングカフェK’s」(長姫町)も経営する。店長で三男の俊忠さんに「飲食店を開きたい」という夢があったが、コロナ禍で一度断念。さまざまな構想を練りながら、昨年同店をオープンした。俊忠さんは高校卒業後、勝久さんの店でアルバイトをしたり、シルクホテル(錦町)などでサービスの仕事をしたりして経験を積んできた。
勝久さんは「飲食店はおいしい料理を提供するのはもちろんだが、プラスアルファの価値をどう考えるかを重視した」と、飯田市内を一望できるロケーションを選んだ。「地域に溶け込みたい」という思いもあり、広い敷地を確保できる場所を選んだという。正永町では唯一の飲食店で、「神社の祭りの慰労会や夏祭りなどで利用できるようなコミュニティーの場になれば」と話す。広い店内には50席を設け、注文は自動食券機で食券を購入。客は店内では高速道路のサービスエリアのように完全フリーな状況。「これまでの飯田にはない飲食店を目指した」と勝久さん。
6月には、ようやく店名にうたう「BBQ(バーベキュー)」の提供を始めた。店の外で火をおこして自由に飲食できるスペースを5区画(10人程度)設け、外で生ビールなどもセルフで提供する。そのほか、「K’s」で提供するパスタやカレー、ハンバーグなど洋食の定食を中心としたメニューを提供。7時からはモーニング営業も行い、パスタは勝久さんが東京の「カフェ・ラ・ボエム」で2年間働いていた頃の味をアレンジして提供している。
14日は店の目玉の一つ、最近九州から購入したロバ(雄7歳)の名前を付けるイベントを実施。客がロバの名前を紙飛行機に書いて飛ばし、最も遠くまで飛んだ紙飛行機に書いてあった「ろば」に決定。秀忠さんは苦笑いしながらも、「これも彼の運命」と納得。
今後について、秀忠さんは「家族で気楽に利用できるような、地域に根差した店にしたい」、勝久さんは「祭りの縁日のように、子どもからお年寄りまでが楽しめる店を目指したい」と、それぞれ意気込む。
営業時間は7時~20時。月曜定休。