
「第81回南信美術展」が6月22日、丘の上結スクエア(飯田市東和町)3階の「ムトスぷらざ」で始まった。
同展は1946(昭和21)年に発足した南信美術会が主催し、飯田下伊那地域の美術家が参加。今回は、日本画、洋画、彫刻、工芸、ジュニアの5部門で計118点を展示している。
各部門の審査員が審査を行い、最も優れた作品に知事賞を贈る。今年は洋画部門の遠山禎行さんによる「祝日」が2回目の知事賞に輝いた。遠山さんは「妙琴公園(飯田市切石)でのキャンプのような場面を水彩でスケッチした。写真を撮らず、現場で友人たちの姿を目で追いながら描いた。スケッチを振り返る中で、『これを描いてみるのも面白いかもしれない』と思った」と話す。「毎年あるこの展示会は自分にとって大切な場。毎年1作品を欠かさず出し続けたい」と話す。
南信美術会会長の松井利明さんは「出品者数が減っている中で、今年は増えて一安心。パソコンを使った作品に関する問い合わせもあり、受け入れを検討中。時代も変わり、現代美術のような表現が若い世代に人気があると感じている。昔ながらの美しい作品にとらわれず、広く受け入れていくことが必要」と展望を語る。
松井さんは「高校生から100歳の方まで出品しており、作品を通じてその人の性格が分かる。『真面目な方なのだろう』などと感じるが、年齢は全く想像できないところが面白い。周りに頑張っている人がいると、こちらも頑張らなければと思い、ここまで続けることができた。足を運んで癒やされたり、元気をもらったり楽しんでいただけたら」と来場を呼びかける。
開催時間は9時~17時(最終日は15時まで)。観覧無料。今月29日まで。