
飲食店「信州飯田アルプス食堂」(飯田市中央通り3)が4月29日にオープンする。
同店は「はしばコーポレーション」(伊那市)が経営し、長野、伊那、諏訪、松本に続く4店舗目。席数は48席。社長の八木択真さんは大阪出身で、信州大学農学部への進学を機に伊那に親しみを持つようになった。卒業後は新聞記者として勤務し、東日本大震災の取材を経験。「自分もどこかに根を張りたい」と考えた。
2013(平成25)年、伊那市中心部で居酒屋「はしば」を開業。旧橋場歯科医院(大正13年築)を改装した店舗で、おでんや日本酒、瓶ビールを中心に提供を始め、地域に根付く店作りを進めてきた。仲間の支えを受けながら徐々にメニューを増やし、まちづくり活動にも取り組んできた八木さんは、「信州の食文化や生産者の思いを届け、地方を元気にしたい」をコンセプトに掲げる。
同店では、信州のブランド鶏「信州福味鶏(ふくみどり)」を使った「山賊焼き」(特大1,099円、ハーフ659円)など「アルプス食堂ベスト10」を看板メニューに据える。南信地方名物のネギだれと共に味わう「おでん盛り合わせ」(大10品=1,649円、小5 品=879円)も提供し、単品注文にも対応する。
刺し身やカルパッチョに使う「いぶきサーモン」は、宮田村で育てられたもの。駒ケ岳水系の冷水による冷かけ流しで、ゆっくり8年かけて育てたサーモン。飯田の吉川望店長は「身が引き締まっている、しっかりした食感を楽しんでほしい」と紹介する。いぶきサーモンを使った「サーモン刺し身」「サーモンカルパッチョ」(以上989円)のほか、伊那谷特有の馬モツ煮込み「おたぐり」(769円)、「鹿メンツカツ」(879円)など、料理は約40種類に及ぶ。ご飯物やデザートもそろえ、幅広いニーズに応える。
ドリンクは、飯田市の酒蔵「喜久水」の「純米吟醸 猿庫の泉」「本醸造にごり酒 白貴天龍」をはじめ、中川村や伊那市、木曽地域など県内各地の日本酒約20種類(90ミリ549円)や、県内の「レア酒」や県外「激レア酒」をそろえる。県内産クラフトビールやウイスキー、焼酎、ワイン、シードル、梅酒、信州フルーツサワー、ソフトドリンクも取り扱う。
八木さんは「伊那、諏訪、松本、それぞれの店でも、その地域ならではの食材や文化を取り入れたメニューを工夫している。飯田でも、地元の食材や季節の味を取り入れ、当店ならではの食体験を提供したい。信州全体、そして地方が元気になるきっかけになれれば」と話す。
営業時間は17時~23時。