主催は、町内の新井商店街のにぎわい創出や若者が足を運ぶきっかけ作りを目的に、今年7月に町内有志が集まり発足した「あらいにぎわいクリエイト部」。メンバーの強みや人脈を生かし、文化学園大学(東京都渋谷区)とケーブルテレビ「チャンネル・ユー」に声をかけ、初めて共同で企画した。
飯田下伊那地域の小学4年~中学生を対象に全3回の日程で開き、松川町、高森町、喬木村から9人が参加。初回は「映像ワークショップ」、2回目は「コマ撮りアニメーション」のワークショップを実施。同町の魅力を伝えることを目的に、特産の「リンゴ」をテーマに30秒CMを制作した。
映像ワークショップでは、文化学園大学造形学部の昼間行雄教授の手ほどきを受けながら、小中学生自身が、監督、照明、音声などの役を担い、同館併設のケーブルテレビのスタジオや町内のリンゴ畑などへ出向き撮影を行った。
コマ撮りアニメーションのワークショップでは、同大学造形学部メディア・映像研究室准教授の荒井知恵さんを講師に迎え、色紙や折り紙、毛糸、ボタンなどで作った「リンゴ」や「温泉」などの「コマ」を少しずつ動かしながら撮影した。
最終日の8日は、2回のワークショップで制作した30秒CMの発表会を行った。スペシャルゲストの同町出身声優、並木のり子さんが、その場で映像を見ながら「生アテレコ」を行ったほか、声優を目指したきっかけや声優の仕事についてトークを披露するコーナーも設けた。発表会は一般見学も可能だったこともあり、埼玉や愛知から並木さんのファンも駆け付けた。
全てのワークショップに参加した高森町在住の藤田京史郎さん(小6)は「撮影には体力がいることが分かった。細かい指示を出したりするのが大変だったが、機会があったら参加したい」、妹の楓禾(ふうか)さん(小4)は「テレビ撮影などの経験ができて楽しかった」と、それぞれ振り返る。
並木さんは「生アテレコする機会はないので緊張した。子どもたちの発想力や想像力には驚いた。今回だけでなく今後も継続し、子どもたちの将来の選択肢の参考になればうれしい」と期待を込める。