JR飯田線伊那小沢駅のカンザクラが3月11日、開花した。「信州に春を告げる村」をうたう天龍村が同日、発表した。
この日は日中の気温も上がり、天龍村役場の職員が伊那小沢駅のカンザクラの標準木に5輪以上の花が咲いているのを確認し開花宣言となった。一重でピンク色のきれいな花びらを咲かせるカンザクラ。昨年(2月5日)より1カ月以上遅い開花となり、見頃は3月下旬を予想している。3月に入ってからの開花宣言は2018(平成30)年以来4年ぶり。
カンザクラの咲く時期になると、地元の住民のほか、県外から写真愛好家などが訪れてにぎわいを見せる。開花宣言後の週末(3月12日)は信州の春の到来を待ちこがれていた多くの見物客が訪れにぎわった。
秘境駅ランキングにもランクインする伊那小沢駅は一日の停車本数が上下線合わせて18本と少ない。この日、電車が到着する時間に合わせてカンザクラの撮影に来た男性は、「毎年撮影に来ているけど、今年は寒い日が続いたので、開花が遅かったね。これでようやく春が来た感じがする。」とうれしそうに語る。駅にはカンザクラの他にも河津桜、山桜、しだれ桜があり、4月上旬まで桜を楽しむことができる。