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飯田の児童、地元の伝統芸能「東野大獅子」学ぶ 保存会が協力

自作の段ボール獅子で舞を教えてもらう児童たち

自作の段ボール獅子で舞を教えてもらう児童たち

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 浜井場小学校(飯田市浜井町)の5年生が2月1日、地元の伝統芸能「東野大獅子」学習会で東野大獅子保存会員から歴史や獅子の舞い方などを学んだ。

質問コーナーでは獅子頭に関する鋭い質問が

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 学習会は5年生の総合授業で、一年を通じて「飯田お練りまつり」をテーマに学習してきたプログラムの一環。1学期に「飯田お練りまつり」のDVDを見て疑問点を洗い出し、地域の人に話を聞いた。2学期は身近な素材を使って全員で獅子頭を作成。3学期は、作った獅子頭で踊りたいという希望で地元の東野大獅子に白羽の矢が立った。

 2時間の授業では、東野大獅子の紹介DVDを鑑賞し、迫力ある大獅子の舞に見入っていた。同保存会総務の久保田晃弘さんから「1715年、伊那谷を襲った未満水(ひつじまんすい)という大洪水の時、人々が高台の大宮諏訪神社に避難し、懸命に祈り、難を逃れ無事だった報恩として1719年、中断していたこの祭りが復活した」こと、「1908(明治41)年に東野大獅子が登場し、最初の獅子頭が竹などを編んで作った籠獅子だったこと」などの歴史を聞き学んだ。

 質問コーナーでは、「獅子頭の重さは?」「なぜ獅子頭の色が赤いのか?」「三代目の獅子頭の違いは?」「籠獅子の重さは?」「なぜ雄なのか?」など、獅子頭に関する質問が多く飛び交い、保存会員らが戸惑いながらも子どもたちに分かりやすく解説した。

 最後に自作した段ボールの獅子舞を使い、頭(かしら)を担当する保存会員から獅子舞の踊り方を習った。「膝を使って縦に大きく回すとよく見える」「頭が8の字を書いて回るように」などのアドバイスがあり、実際のおはやしに合わせて元気な舞を見せた。

 授業を受けた遠山大介君は「東野の大獅子が日本一の獅子と聞いて、そんなすごい獅子が近くにいる。飯田はいいなぁとうれしくなった」。佐野瞳さんは「自分の知らない苦労や歴史を知ることができて良かった。長野オリンピックでの演舞や天皇陛下の前で舞ったのはすごいと思った。30キロの獅子頭を交代しながら舞っていることに驚いた」と感心しきりの様子だった。

 保存会の久保田さんは「いい機会を頂いた。地元の東野大獅子に興味を持ってもらい、大きくなったら大獅子の伝統を一緒に守れるよう協力してほしい」と子どもたちに呼びかけた。

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