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飯田・上殿岡獅子舞の幌洗い クリーンサービスナンシンが伝統支える

喬木、ふとん丸洗い「クリーンサービスナンシン」で「上殿岡獅子舞」の幌をたたむ作業。2026年4月9日撮影。

喬木、ふとん丸洗い「クリーンサービスナンシン」で「上殿岡獅子舞」の幌をたたむ作業。2026年4月9日撮影。

 南信州・飯田地域で春の獅子舞の時期を迎え、祭礼で使われた屋台獅子の幌(ほろ)がクリーニング店へ持ち込まれている。

上殿岡自治会館に飾られる「上殿岡獅子舞」の写真

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 飯田市内の屋台獅子で歴史が長いとされる「上殿岡獅子舞」は、神明社(飯田市上殿岡)を拠点に伝承されてきた。源流は高森町大島山瑠璃寺に伝わる獅子舞で、約800年の歴史を引き継ぐとされる。明治期には後藤伊作が舞を体系化し、「シンキン」「ナイトリー」「大門口」「デンハ」の4曲を元に現在の形を確立した。

 中でも「デンハ」は眠る獅子を宇天王が呼び起こし、再び鎮める場面が見どころとされる。天狗や鬼も登場し、地域の子どもたちにも親しまれている。近年は小学生を中心とした屋台獅子も加わり、大人と同じ所作で舞う「親子獅子」として継承されている。

 上殿岡獅子舞保存会によると、会員は大人117人、子ども30人。毎年3月から練習を重ね、4月の第1週末に祭典を行う。祭典では地区内を巡る「訪問舞」も行い、各戸の繁栄や無病息災を願う。今年は4月5日・6日の開催で初日が雨となり、屋台や幌に泥はねなどの汚れが付いたという。

 祭礼後、屋台に掛ける幌はクリーニング店「クリーンサービスナンシン」(喬木村阿島)に持ち込まれている。幌は長さ8~10メートルに及び、折り畳みには3~5人が必要。作業では生地を傷めないよう汚れや水分の状態を確認し、温度や時間を管理しながら洗浄と乾燥を行う。

 同社専務の今井貴広さんは「まずは生地を傷めないことを第一に、しわや汚れが残らないよう仕上げる。来年すぐ使える状態で返すことを心がけている」と話す。宇天王や鬼の衣装など特殊な品のクリーニングにも対応しているという。

 幌は約40年にわたって使われているものもあり、保存会の五島稔保会長は「歴史ある建物や道具と同様、獅子も大切に使い続けていきたい」と話す。竹で組む屋台の骨組みに幌が引っかからないよう細心の注意を払うなど、日頃から丁寧な扱いを心がけているという。

 今井さんは「幌が持ち込まれると季節を感じる。地域の伝統に関われることにやりがいを感じる」と話す。地域の祭りを陰で支える作業も、春の風物詩の一つになっている。

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