精密機器部品加工メーカーの飯田精機(下伊那郡喬木村)が4月3日、喬木村に建設した開発事業部の新工場の竣工式を行った。
目の前にリニア中央新幹線の橋梁(きょうりょう)がそびえる新工場。半導体計測・検査装置や医療関係装置、モーションコントロールなどの部品加工を主力とする同社。近年は農薬散布機の開発やスマート農業分野に参入し、中山間地で担い手が減少する農業の課題解決に取り組む。新工場は鉄骨2階建て、延べ床面積約300平方メートル。開発事業部で自社開発した無線操縦式の農薬散布機「RC-Sprayer小次郎」の生産拠点となる。
「小次郎」は傾斜地でも安全に農薬散布ができるようクローラー(走行用ベルト)を備え、無線操縦により重いタンクを背負う必要がなく、人体に農薬がかからないよう工夫した。これまでに約20台を販売し、傾斜地で果樹を栽培するブドウ農家などから引き合いがあるという。農薬タンクは外置きとし、長いホースで接続することで効率的な散布を可能にした。競合製品は少なく、県内や山梨県などの山間地の果樹農家への普及を図る。価格は1台約400万円。新工場では年間40台~60台の製造を見込む。軌道に乗ればスマート農業分野での新たな開発も検討するという。
近藤英二社長は「これからのスマート農業の一助となり、若い人の農業離れを食い止めるきっかけとして役に立ちたい」と話す。「開発はこれで終わりではない。新たな製品の開発も行っていきたい」と意気込む。「交通量の多い県道沿いに建てることで注目してもらえ、会社の存在を知ってもらう宣伝効果も高い」とも。