上郷図書館(飯田市上郷)で2月7日・8日の2日間、「北原志乃展」が開かれた。2日間で延べ180人が来館した。
2024年3月に亡くなった上郷出身のイラストレーター・造形作家の北原志乃さんの作品やイラストが描かれた図書などを知ってもらうことを目的に、同館と上郷公民館が共同で企画した同展。特設会場にはイラスト20点や造形作品8点のほか、原画の下絵などの原稿、挿絵を使った郷土の本や児童書などをジャンルごとに展示した。
北原さんは飯田高校卒業後、弘前大学農学部園芸学科・同大大学院農学研究科で昆虫の研究に携わった。子どもの頃から得意だった絵を生かし、学術書の昆虫挿絵を手がけたり、大学での研究の様子を漫画で発表したりした。大学卒業後は岩波書店の「広辞苑」や岩波ジュニア新書などの昆虫画を担当するなど、イラストレーターとして活躍した。
7日は遺作となった紙芝居を特別上演。テントウ虫がモチーフの童話「てんとくん」シリーズから「てんとくん おばけやしきへ」を、「ともそだちプラネット」(岡谷市)を利用する子どもたちが初披露。同施設の男性職員が、童話の文を手がけた、いぶき彰吾さんと元同僚だったことから実現。原作を元に職員が物語を考え、オリジナル紙芝居を制作したという。併せて、地元ボランティアが「てんとくんのうんどうかい」を上演。会場から大きな拍手が送られた。
当日は地元をはじめ名古屋、東京、青森からのほか、志乃さんの同級生も来場。志乃さんの母・房子さんは「紙芝居も良かった。研究熱心だった娘も喜んでいる。図書館にも志乃のイラストが描かれた本もある。多くの人に見てもらいたい」と話した。
児童文学作家で、いぶき彰吾こと北沢彰利さんは「図書館、公民館、地区の皆さんが北原志乃さんのことを大切にしている。紙芝居からもその思いがしっかり伝わってきた」と振り返った。