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天龍村向方で伝統の湯立神楽「向方お潔め祭り」 満月の下、躍動する舞

複雑な動きを見せながら湯立つ釜の前で舞う「剣の舞」

複雑な動きを見せながら湯立つ釜の前で舞う「剣の舞」

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 国の重要無形民俗文化財で、天龍村向方(むかがた)地区で古くから伝わる湯立て神楽「向方お潔(きよ)め祭り」が1月3日、「天照皇大神宮(てんしょうこうたいじんぐう)」(天龍村向方)で行われた。

湯立てのおき火を床にまいて舞う「火伏の舞」

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 同祭りは、昔は冬至の頃に行われ「冬至祭」と呼ばれていた。村に伝わる本来の「オキヨメマツリ」は、国家や村の祝い事、村や個人の大願がかなった際、開かれる臨時の祭だったという。臨時祭特有の舞のいくつかを例祭に組み込むため、便宜的に例祭を「向方お潔め祭り」としている。向方の神楽は面形の舞はないが、複雑な舞が特徴で、「剣の舞」「三つ舞」などは呪術性が高く、奥三河の花祭の原型ともいわれる「三河大神楽」と共通する演目も多いといわれる。

 神楽を執り仕切る村松久一さんは「若い人にさまざまな舞を経験させるため、臨時祭の演目を取り入れながら手探りで行っている。東京や名古屋から舞を手伝ってくれる方が来てくれているのでありがたい」と話す。当日は、満月の明かりが神社の神楽殿を照らす中、昔のテープを使って、「きんしょう神正義」を舞い、「一の方産土(うぶすな)の湯立て」二十四釜のあげ湯を歌うなどして、臨時祭の演目などを披露。18時過ぎに始まった舞は0時をまたぎ、最後に湯立てに使ったおき火を床にまきながら舞う「火伏せの舞」で締めた。

 天龍村在住で4回目の参加となる地域おこし協力隊の於保樹(おほ・たつき)さんは「今日は20人くらいの舞手がいたが、地元の人は5人ほど。外からの応援の人を含めて通年で3回ほど練習の機会を設けている」と話す。「なかなかうまく舞うことはできないが、自分たちでできるように継承していきたい」と前を向く。

 滋賀県から訪れた女性は「花祭りなどが好きで三河の方によく見に来ている。舞もすてきで、外の方々が舞に来ているとは思えないくらい洗練されている」と感心していた。

 村松さんは「今年も無事に終わって良かった。舞は複雑で厳しくハードだが、毎年新しい発見がある。もっとさまざまな舞があるのを訴えていきたい」と今後を見据える。

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