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飯田に「天龍峡横丁」 観光地復興への思い込め夫婦でIターン開業

店内で店主の木下智裕さんと聖子さん

店内で店主の木下智裕さんと聖子さん

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 ランチも提供する居酒屋「天龍峡横丁」(飯田市川路)がJR飯田線天竜峡駅前にオープンして、12月25日で3カ月がたった。

ランチの中華そば

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 同店は、長らく天龍峡で親しまれた「時路屋食堂」の跡に開店。同店の店主、木下智裕さんと妻の聖子さんは3年前に東京都練馬区からIターン。智裕さんは東京で治療院を経営していたが、龍江にある父の実家のリンゴ園で継ぎ手がいないという相談を受け、スイッチが入ったという。聖子さんは、智裕さんにどうするかと聞かれ、一度、天竜峡を訪れ、姑射橋から見た天龍峡の風景を見て、「天龍峡のそばならいいよ」と返事。「かつて多くの観光客でにぎわった天龍峡を復興したい」という思いもあり、開店を決意した。

 昼はランチ、夜は居酒屋業態で営業。昼は中華そば、みそつけ麺、カレーなどを提供。みそつけ麺は、智裕さんが通った東京のラーメン店のつけ麺を参考にしたという。カレーは智裕さんが作る自家栽培米を使い、聖子さんがルーから手作りする。

 夜は地元食材を使いながら、「酒好きが好みそうな」つまみを、リーズナブルに提供するのがコンセプト。メニューには300円~500円のつまみが並ぶ。智裕さんは「『こういう店があったら通うだろうな』という店にしたかった。店のモデルは、夫婦で台所のように通った都内の赤ちょうちんの焼きとん店。古めかしく、庶民的でリーズナブル。地域の人たちでにぎわう店でありたい」と店の将来像を描く。

 3カ月がたち、「地元の人たちに利用してもらっている。店を回すのもだいぶ慣れてきた」という。リンゴ園に加え、継ぎ手のいなくなった米農家から集めた3ヘクタールの水田での米作りや治療家としての活動も続ける。父のふるさとである天龍峡は、智裕さんが子どもの頃、盆正月に訪れ、観光客が浴衣姿で店を往来する姿を見かけていた場所。「温泉、駅、船下りなどポテンシャルは持っている地域。寂しくなった街に再び火をともしたい」という気持ちは強い。「天龍峡横丁」の店名には、「街が横丁のように多くの人でにぎわうようになる一助になれば」という復興への思いを込める。

 営業時間は、ランチ=11時30分~14時30分、居酒屋=17時~22時。水曜定休。

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