下伊那農業高校(飯田市鼎名古熊)で12月17日、伝統の「おせち検定」が行われ、アグリサービス科「食農文化コース」の2年生18人が挑戦した。同検定は、1965(昭和40)年ごろから続く伝統の調理検定。
当日は、共通品目の黒豆を含め、制限時間の約2時間の中で1人7品を調理。生徒たちは事前に絵コンテでイメージを作成し、それを元に調理を進め、丁寧に重箱へ詰めていった。定番のだて巻きをはじめ、ニンジンやレンコン、かまぼこなどは飾り切りにして盛り付けた。ユズの中身をくりぬいた器を使うことも必須で、「黒豆」「おなます」を詰めたりしていった。
調理終了後、いったん生徒は退室し、別の教室で待機。アグリサービス科の村澤博富美教諭と家庭科の三澤今日子教諭が「見栄え」「盛り付け方」「重箱の高さと同じくらいかどうか」などを審査。最優秀賞1点、優秀賞2点、優良賞3点、頑張ったで賞1点を選んだ。最優秀賞は後藤和泉さんが受賞。審査した三澤教諭は「パッと見の見栄えや色合いが良かった。調理時に色を損なわないような工夫も見られた」と評価。検定は全員が合格した。
後藤さんは「最優秀賞に選ばれて驚いた。今回は昔ながらのおせちを意識し、菊花大根など使い紅白の花など作った。初めて一通りの品を作ることができたので、今度は3段のおせちにも挑戦したい」と話していた。
ローストビーフ作りに力を入れたという袴田怜華さんは「家でも練習した。時間や手間がかかったが、全てを出し切ることができた」、花をイメージし彩りよく飾りつけをした牧之瀬結和さんは「絵コンテのイメージ通りに作ることができた。飾り切りは大変だったが何度も練習した。今回はその成果を出すことができた」と、それぞれ振り返った。
同校では、1年次に1分間で100枚、キュウリを輪切りにする「きゅうり検定」、2年次の「だし巻きたまご検定」と「太巻きずし検定」を行っており、おせち検定を受けるには、それぞれの検定全てに合格する必要がある。