ワインやシードルを醸造する「VinVie(ヴァンヴィ)」(松川町大島)が現在、「みんなのシードル」の参加者を募集している。
「みんなのシードル」は、参加者から集めたリンゴを1つのタンクでシードルに仕込み、完成したシードルを参加者全員でシェアする取り組み。同社が2020年に始めた事業で、今年が6年目。同社営業企画担当の佐藤篤さんは「無駄なリンゴを1個でもなくしたい。新たな加工品として使ってほしい」という思いで取り組みを始めたという。2020年~2024年の5年間で延べ335コンテナ5.7トンのリンゴが持ち込まれ、330ミリ8040本のシードルを醸造した。
地元松川町をはじめ、安曇野、松本、長野、須坂など県内の農家がリンゴを持ち込むことが多いという。「シードル愛好家が間接的に応援する農家のリンゴを購入して持ち込むこともある」と佐藤さん。シードルの完成は2026年4月上旬を予定。原料は年によって違うが、シードルの初心者にも飲みやすいように甘口のシードルに仕上げるという。完成したシードルの販売・転売はできない。
佐藤さんは「24本あるので半分はできたてを楽しんでもらい、半分は贈答や熟成させ、次の年に飲むなど、さまざまな楽しみ方ができる」と話す。「自分のリンゴが入っているという愛着もあるし、ラベルも毎年、遊びながら変えている」とも。
南信州はリンゴの産地として、摘果リンゴを活用した菓子を製造販売するなどアップサイクルによるリンゴの活用が盛んに行われている。シードルの醸造所も7蔵とリンゴを活用した産業も盛んな地域。佐藤さんは「リンゴを1個でも無駄にせず、新しいリンゴの活用方法として、シードルになるという体験を皆さんと一緒に楽しめれば」と話す。「リンゴ農家への大きな支援、産業振興にもなる」とアピールする。
リンゴ持ち込みの場合1コンテナ=1万3,200円。おまかせの場合=1万6,500円。いずれも330ミリのシードル24本を届ける。1月6日まで。