和牛一頭買いの焼き肉店「ふえ門」(飯田市銀座)が12月3日、高森町の特産品「市田柿」の柿皮を飼料に肥育した「南信州牛」の提供を始めた。
南信州地域のブランド牛「南信州牛」のみを取り扱う同店。店長の佐々木博さんは南信州牛に精通する一人。今回仕入れた和牛は、夢ファーム南信州(高森町下市田)の松田拓也さんが育てる信州プレミア牛認定の南信州和牛。同ファームでは3年前から、未利用資材の活用として、高森町名産の市田柿の柿皮を餌に活用する。
松田さんは「良いサシを入れるには牛の血中のビタミン濃度を低く保つことが必要」と話す。柿皮にはタンニンやカロテンが含まれており、カロテンは体内でビタミンに変わる働きがあるという。ビタミンのコントロールにビタミン剤を使う場合が多いが、「柿皮を餌にすることでビタミン剤を使わなくてもよくなった」とも。そのほか、牛のげっぷの抑制、肉質改善、産業廃棄物の再利用など「サステナブルな牛」と松田さん。昨年、出荷した際に試食した佐々木さんは「脂がさっぱりしている」と感想を話していた。
南信州産の和牛はほぼ関西方面へ流通するが、佐々木さんが話を聞き付け、肉を購入することになった。今回はブリスケと呼ばれる肩バラ肉と三角バラ肉の一部、約20キロ。佐々木さんは「飯田焼肉と言えば豚カシラ・マトン・黒モツが有名だが、昔から牛を食べて育ったので地元の牛を推したい。南信州牛は本当においしい。今回特別な肥育方法の牛を入荷したので、多くの人に味わってほしい」と話す。
南信州牛の肉は、並カルビ(880円)、上カルビ(1,900円)で提供する。売り切れ次第終了。
営業時間は17時30分~23時。