高森町歴史民俗資料館「時の駅」(高森町下市田)で現在、企画展「天竜川に架かる橋の歴史」が開催されている。
同展は、高森町と豊丘村間で新設工事中の「竜神大橋」の完成が近づく中、両町村を結ぶ「明神橋」や「万年橋」に焦点を当て、橋が設置された経緯や歴史、設置以前の対岸への往来手段などを振り返ることを目的に企画した。
明神橋と万年橋の初代は1909(明治42)年に設置。当時は木製のつり橋で、2代目以降は鉄骨やコンクリートメインの構造に変化していった。展示室には同橋の歩みや建設当時の写真、地元住民から寄せられた橋に関する手記などのほか、今回の目玉として「橋銭(はしぜに)」「渡船(とせん)」の木製看板も展示している。
橋銭の木製看板には、明神橋の通行料金が記されており、豊丘村田村側の橋のたもとで小料理屋を営んでいた「橋場(はしば)」が徴収を担っていたという。徴収廃止後も木製看板は橋場が所有。閉店後に建物を受け継いだ福祉会社が保管していたが、今回の展示に合わせ寄贈してもらった。
同館の塩澤元広館長は「橋銭や渡船看板は非常に貴重な資料。明神橋や万年橋の歴史をパネルや写真で振り返り、橋ができる前は天竜川が障害となっていたことを含め、いかに橋の設置が高森と豊丘にとって重要だったかを知ってほしい」と話す。
開館時間は9時~16時30分。月曜・祝日の翌日休館。入館料は、大人=200円、小中高校生=100円。12月7日まで。