第105回全国高校ラグビーフットボール大会の長野県予選決勝が11月3日、長野Uスタジアム(長野市)で行われ、飯田高校(飯田市上郷黒田)が26ー19で松本国際高校(松本市)に勝利し、2年連続16度目の優勝を飾った。全国大会(花園出場)は12度目。
昨年の決勝戦と同カードで行われた当日の試合。飯田高校は特別な思いで臨んだ。10月18日に行われた飯田OIDE長姫高校との準決勝。同点で終え、抽選の末、飯田高校が決勝へ駒を進めた。同郷のチームの思いを背負いながら決勝戦に臨み、花園の切符をつかみ取った。
午前中、雨が降ったものの、晴れ間ものぞき13時にキックオフ。試合前、飯田高校ラグビー班保護者会長の伊藤勲さんは「前日少し表情は硬かったがいつも通りに選手を見送った。抽選だった準決勝で敗れた飯田OIDE長姫高校の気持ちも含め、チーム一丸となって頑張ってほしい」とエールを送る。
試合は前半2分早々に動く。松本国際が速いパス回しでトライを決め先制する。対する飯田は7分、得意のモールで押し込み奥村妃呂(ひろ)選手がトライし、同点とする。前半は松本国際が速いパス回しで左右に振り、飯田はモール攻撃と、それぞれが持ち味を生かし、互いに2トライ、2コンバージョンゴールを決め14対14で折り返す。
飯田高校の小林克監督は「前半同点でいけば、相手の足が止まるのでいけると思った。とにかく前に出ようということを伝えた」と話す。後半は予想通り飯田のモール攻撃が徐々に効き始め後半7分、モールで押し込み奥村選手の2トライ目でリードする。後半11分、松本国際もタブア選手とペニアシ選手の留学生2人を軸に攻め意地のトライ。コンバージョンキックを外し同点にはならず。その後、一進一退が続く。均衡を破ったのは飯田。後半28分、ゴール前のモールから好機を見いだしトライ。終始一貫、モールで攻め、最後はゴールポスト前で押し込まれる場面があったが、ここも好ディフェンスで防ぎきり、試合を決めた。
2トライを決めた奥村選手は「フォワード全員で取れたトライなのでチームのみんなに感謝したい。後ろで控えて最後に決める練習をやってきた。練習の成果が出て良かった」と胸を張る。キャプテンの小池勇誠選手は「前半は拮抗(きっこう)したが、後半は自分たちが1年間やってきたことを出して結果につながった。ディフェンスとモールで相手の体力を削ることができた。花園は2年連続なので昨年以上の結果を出すことと、見てくれる人が感動する試合をしたい」と先を見据える。
小林監督は「松本国際の留学生はやっぱりすごかった。分かっていても止められないことが何本かあった。春に出られなかった大原と田中の存在が大きかった。後半もモールを貫き、思い通りの展開になって良かった。全国の強豪に対してどこまで通用するかわからないがレベルをもう1つ2つ上げる練習をしていきたい」と昨年花園で敗れた雪辱を誓った。
 全国大会は12月27日、花園ラグビー場で開幕する。