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県境の「兵越峠」で恒例の綱引き合戦 信州軍と遠州軍が真剣勝負

網を引く信州軍

網を引く信州軍

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 長野と静岡県境の「兵越峠(ひょうごしとうげ)」で10月26日、「峠の国盗り綱引き合戦」が開かれた。今年で35回目。

網を引く遠州軍

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 当時の南信濃村と浜松市水窪町商工会青年部はこれまで野球などで交流を深めていたが、同町が招いた地域文化研究家の加藤伸幸さんの提案を受け、1987(昭和62)年から親睦事業を「綱引き」に変更。同村が飯田市に合併後も継続。台風やコロナ禍で中止した年もあったが、毎年恒例のイベントとして定着した。

 当初は楽しみながら対戦していたが、テレビなどメディアにも注目されるようになったことがきっかけで、兵越峠に「綱引き広場」が整備されたほか、本戦前には、両軍の大将(各市長)による口上合戦や観客の中から希望者を募り、一般参加者同士による交流試合を実施するなど、誰もが楽しめるイベントに発展した。

 綱引きは3本勝負で2本先取。制限時間は2本目までは2分、3本目は3分で行い、制限時間内に、先に1.5メートル、または終了時点で30センチ自陣へ綱を引き込んでいれば勝ちとなる。30センチ未満の場合は引き分け、3本目に限り、綱の中心が少しでも自陣に入っていれば勝ち判定となる。出場選手は女性2人を含め10人で構成。勝ったチームは相手領土に「国境」を1メートル広げることができる。行司は豊橋市が務めた。

 信州軍は現在2連勝中で、今年は新メンバーを加え8月下旬から約2カ月間、週2~3回の練習を行い本番に備えてきたが、遠州軍に先に2本取られ、領土を信州軍側に1メートル戻された。通算成績は信州軍の19勝16敗となった。

 選手20年目の同軍主将の平沢一也さんは「節目の年だった分、勝ちたい思いが強かった。負けたことは悔しいが、課題も見つかった。雨の影響で足場のコンディションも良くなかった。今回の負けをプラスに捉え、来年は勝ちにいきたい」と意気込みを見せる。

 初めて来場した市内の70代女性は「一般参加で綱引きを体験した。選手の大変さを感じることができた。信州軍と遠州軍の試合は迫力があり、いい勝負を見ることができて良かった」と振り返る。

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