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飯田線で「伊那谷のお酒を味わう特別列車」初運行 

理科の授業でハイボールが完成し乾杯する生徒ら

理科の授業でハイボールが完成し乾杯する生徒ら

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 JR東海が10月25日、JR飯田線では初となる臨時列車「伊那谷のお酒を味わう特別列車」を伊那市駅~飯田駅間で運行した。

「伊那谷のお酒を味わう特別列車」373系車両

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 今回は秋の「秘境駅号」に合わせて企画した旅行パック商品購入客限定の臨時列車で、列車を校舎に見立て「伊那谷お酒学園」という設定で運行。3号車を「阪急組」、2号車を「JTB組」、1号車を「職員室」とクラス分けし、始発の伊那市駅を出発すると、JR東海入社1年目堀紗彩さんが社内アナウンスで「今日一日、皆さんの担任の先生を務めます」と案内。「あの頃の楽しい記憶を少しでも思い出し、伊那谷の酒と美しい景色を存分に味わっていただきますよう精いっぱい務めます」とあいさつした。

 学校のチャイム替わりとなる汽笛の合図で授業が始まると、春日酒造の漆戸正彦社長、宮島酒店の宮島敏社長、本坊酒造マルス駒ヶ岳蒸留所の森本剛史主任の特別講師3人が各車両をローテーションして務め、酒造りや蒸留のこだわりなどを紹介。春日酒造は日本酒ハイボール缶を、全量純米酒にこだわる宮島酒店は日本酒「一瓢」「西駒」の小瓶を、マルス駒ヶ岳蒸留所は信州限定発売のウイスキーの小瓶を提供、「生徒」らにハイボールの作り方を教えた。「古文」「理科」「総合学習」などの体で授業を案内したり、「試飲」の時間を「自由研究」と表現したりするなど、ユーモラスなアナウンスで特別列車を盛り上げた。

 飯田駅までの1時間の旅を終えると、飯田駅から新たな乗客を乗せ、臨時列車「秘境駅号」として豊橋駅まで運行。生徒らは「伊那谷お酒学園」で提供された1時間では飲み切れない量の酒を、引き続き「秘境駅号」で楽しんだ。

 名古屋から訪れた女性は「初めての飯田線ですごく楽しかった。普段はワインや日本酒をたしなんでいる。日本酒の講義も楽しく聞けた。大いに満足」、東京から訪れた男性は「旧国電以来の飯田線でした。ここでしか味わえない酒もおいしかった」と、それぞれ話していた。

 同列車を企画したJR東海営業課の沖健太さんは「これまで30年以上取り組んできた『さわやかウオーキング』を通じて、木曽山脈、赤石山脈に囲まれ、豊かな水とおいしい酒など、伊那谷の多くの魅力を発信できれば」と今後に期待を寄せる。飯田線の魅力について「飯田線の北部は木曽山脈と赤石山脈の間の伊那谷を流れる天竜川と田園風景などを楽しめ、天竜峡より南は山あいの断崖絶壁を縫うように流れる天竜川沿いに飯田線が走り、秘境駅も点在するなど非日常を味わえる。愛知県に入ると湯谷温泉や長篠城跡など名所も点在する変化に富んだ魅力的な路線」と秘境駅号も含めて飯田線をアピールした。

 当日は飯田線「ゼロカーボンデー」とし、大鹿村、伊那市、飯田市の地域で進めている森林整備の取り組みを「南アルプス育みの森」として支援。森林が吸収した二酸化炭素(CO2)吸収量を活用し、実質CO2排出ゼロで運転した。

 飯田線秘境駅号の運行は11月8日・9日・15日・22日・29日の上下各1本。

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