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飯田の洋菓子店「ポルカ」、50周年の記念祭で新商品も

10月25日・26日、創業50周年を記念し創業祭を開催する「patisserie POLKA(ポルカ)」

10月25日・26日、創業50周年を記念し創業祭を開催する「patisserie POLKA(ポルカ)」

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 飯田の洋菓子店「patisserie POLKA(ポルカ)」(飯田市鼎上山)が10月25日・26日、創業50周年を記念した創業祭を開催する。

ケーキは20種類以上、焼き菓子は40種類以上をそろえる

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 同店のルーツは、福澤房男さんが飯田市で創業した「福澤製菓」にさかのぼる。和菓子の半生菓子を製造し、全国的にヒットした「栗しぐれ」の考案者として知られる。半生菓子の全国シェア40%を占める飯田市の基盤を築いた功績が認められ、総理大臣から表彰も受けた。

 房男さんの長男で、東京の製菓専門校を卒業した芳一さんは、ユニーや西友などの大型店が飯田に進出し、「商圏が大きく変わる」というアドバイスを房男さんから受け、1973(昭和48)、に洋菓子に新たな可能性を見いだすため、飯田駅近く(東和町)へ同店を開業した。

 翌年4月7日に芳一さんが容子さんと結婚し、新婚旅行から戻ると、8月7日のリニューアルオープンに向けて急ピッチで準備を進めた。20席ほどのイートインスペースを備え、ケーキやパフェ、フラッペなどを提供。ケーキの生クリームを使ってパフェやフラッペを作るなどの喫茶スタイルは当時としては珍しく、画期的な試みだったという。容子さんは、キーコーヒーのセミナーに足を運び、ドリップコーヒーのいれ方を学ぶなど、喫茶メニューの充実にも力を入れた。

 1989(平成元)年には鼎上山に製菓工場を建設し、翌1990(平成2)年3月には店舗の手狭さを感じ、製靴工場隣に店舗を開店。以後、高森町市田への出店に続き、1995(平成7)年には桐林店も開くなど、地域に根差した店舗展開を進めた。芳一さんは「来店客や従業員も増え、従業員の活躍できる場所を確保したいと考えた」と当時を振り返る。

 現在の店は、2016(平成28)年に鼎上山に新築移転。老朽化した機材の更新と、店舗の一本化を図るとともに、「駐車場も含め、お客さまに、より快適に来店してもらえる場所を」と芳一さんが決断した。

 芳一さんの長男・福澤裕介さんがオーナーパティシエを、次男・福澤伸吾さんが販売とマーケティングを担当。裕介さんは製菓専門校を卒業後、関西で洋菓子の修業を積み、旧鼎店時代から現場に立ち続けてきた。もともと菓子と菓子作りが好きだという伸吾さんも大学卒業後、「自分もこの道で家族を支えたい」と、今の時代に合わせた広報活動も担う。

 今回の創業祭では、飯田市街地の「裏界線」(りかいせん)をモチーフにしたスティック状のチーズケーキ「いいだの小道」(303円)を期間限定価格(249円)で販売するほか、人気商品「ポルカのぽてと」をシルクスイートの器に詰めて焼き上げた「まるごとポテト」(1,000円~1,400円の計り売り)を新たに販売する。

 1,500円以上の購入客を対象に、1万円分の商品券などが当たる空くじなしのくじ引きを行うほか、焼き菓子の詰め合わせと記念品が入った福袋(2,160円、限定50個)も用意する。

  「ポルカでお茶を飲むのが買い物帰りの定番コースだった」と、創業当時を懐かしむ常連客も今なお多い。容子さんは「皆さんにかわいがってもらい、息子たちと一緒に今もこうして店を続けられるのは幸せなこと」と話す。裕介さんは「父が築いてきたものを大切にしながら、これからも地域の皆さんに『ポルカがあって良かった』と思ってもらえる店にしていきたい」と話す。

 「生まれ育った地元の魅力を伝えられる店」を掲げる同店では、南信州産の果物を使った洋菓子を中心に、素材の味を生かした商品を展開。ケーキは20種類以上、焼き菓子は40種類以上を常時そろえ、従業員16人で地域に根差した菓子作りを続ける。芳一さんは「今まで全て細かく計画したわけではないが、やれば何とかなる。それぞれに支えていただき、50年やってこられたのは皆さんのおかげ」と話す。

 営業時間は9時30分~18時30分。水曜定休。

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