
「一日消防団体験」が10月11日、飯田消防署で開かれた。主催は長野県危機管理部消防課。
同事業は2023年、消防団活動に興味や関心のある人を対象に長野市で初開催。昨年までは長野会場のみでしか行っていなかったが、中南信地域でも機会を設けようと、今年は初めて飯田会場と11月に松本会場で開催することが決まった。
飯田会場での体験会には、市内外から高校生や専門学生、会社員、自営業など10人が申し込んだ。参加者全員で消防団の概要や活動についてのガイダンスを受けた後、2グループに分かれ、放水やホースを伸ばす体験、ポンプ車や可搬式ポンプの仕組みの説明を受けたほか、救助作業で使う機材などの見学も行った。
ダミー人形を使った救命処置やAED講習では、飯田市消防団救護部長で、応急手当普及員の資格を持つ佐々木彩乃さんをはじめ、女性団員や男性団員から、心肺蘇生(心臓マッサージ)やAEDを使う際の注意点、役割などを学んだ。「通報から救急隊が駆けつけるまでの時間は平均で約10分といわれている。到着するまでの間に心臓マッサージなど行い、命を救う行動を取ってほしい」と佐々木さん。
県危機管理部消防課消防係の番場一吉さんは「地域の安全を守る重要な役割を担う消防団は、近年の社会環境の変化などにより団員数の減少が続いている。団員確保が大きな課題となる中、今回の体験を通じて少しでも消防団に関わる人が増えてほしい」と期待を込める。
市内から参加した桜井まりさんは、父が消防関係の仕事をしていると言い、「改めて消防団の大変さを感じた。放水体験は水の圧力がすごかった。実際に関わることとなれば非常に責任を感じる」と振り返る。