
南信州の名産を舞台と共に楽しむイベント「地産地show~その土地の名産をshowと共に~、座光寺産山ぶどうワインと秋の桜まつり」が10月19日、旧座光寺麻績学校校舎(飯田市座光寺)で開催される。主催は南信州アートラボ。
県内で現存する小学校校舎としては最古という旧座光寺麻績学校校舎は1874(明治7)年建築、1988(昭和59)年まで使われ、翌年には長野県宝の指定を受けた。木造2階建てで、1階が歌舞伎舞台となっている。南信州アートラボの野口千英子さんは「昨年、竣工150年記念事業で舞台を披露し、大変好評で再演の希望の声もあった」と話し、「支援団体の信州アーツカウンシルから、地元の人が喜ぶ企画もあった方がいいという提案で、座光寺産のヤマブドウワインを絡めたイベントを企画した」という。
当日は、地元のワークショップ参加者の成果発表の場を設け、座光寺産ヤマブドウで醸したワインや地元の屋台なども出店する。メインの舞台は、地元の芸能・音楽家ら5人による「娘火恋紅蓮染(おひちひれんのぐれんぞめ)」を披露する。脚本は井原西鶴の「好色五人娘」「八百屋お七」の物語を元に、元善光寺や麻績の舞台桜、座光寺小学校など脚本に入れるなど工夫を凝らし、座光寺版お七に仕上げた。お七役を百鬼ゆめひなさん、語りを野口千英子さん、音楽を地元で音楽活動を行う横前恭子さんほか、三味線の竹内博恵さん、太鼓鳴物の卯月景さん、演出を加藤木朗さんが担当する。
演出を担当する加藤木さんは「いつもと違う慣れない雰囲気の中で、音楽家と表現者それぞれの人の土台を崩さず力を発揮できるよう心がけている。観客と演者とこの舞台空間自体が一つの舞台。その空間を演者と一緒に感じながら見ていただければ」と話す。「百鬼ゆめひな」の飯田美千香さんは「八百屋お七の世界にどっぷり入っていただけるよう、感情移入していただけるように舞いたい」と意気込む。
野口さんは「舞台校舎は異空間で素晴らしい場所。地元の人たちの舞や語り音楽が融合するいい作品になる。桜のライトアップや地元の食などもあり、舞台だけでなく五感で楽しむことのできる一日になる」と呼びかける。
開催時間は16時~=ワークショップ成果発表、18時~=「座光寺版お七」開演。チケットは大人=前売り3,500円(ワンドリンク付き)・当日3,500円(舞台鑑賞のみ)、中学生以下=前売り2,000円(ワンドリンク付き)・当日2,000円(舞台鑑賞のみ)。座光寺自治振興センター、松川町中央公民館えみりあ、たろう屋(中川村)で扱う。