
橋南公民館(飯田市本町)が9月27日、追手町小学校(追手町)で「防災フェス」を初めて開いた。
同館ではこれまで育成委員会が中心となり、同校の夏休みに合わせ「飯ごう炊飯」体験事業を行ってきた。しかし近年は、猛暑やゲリラ雷雨といった異常気象の影響もあり、中断や中止することが増えてきたという。
そこで今年は、防災をテーマにした体験事業を秋季の開催に変更。楽しみながら防災について学んでもらう目的で同フェスを企画。橋南まちづくり委員会にも協力してもらい実現した。
当日は、飯田下伊那地域を襲った「昭和36年梅雨前線豪雨(通称=三六災害)」について体験者から話を聞く「防災講座」、防災テントや段ボールベッドなどを設置し、実際に中に入って寝心地を確かめたりする「避難所体験」のほか、講堂の壁に「一次避難所」や「ハザードマップ」を掲示。各家庭で必要な対策や避難方法などを確認したり、新聞紙でスリッパ作りなども行った。
グラウンドでは、飯田市消防団第1分団による水消火器体験、講堂と校舎をつなぐ渡り廊下では防災食体験を実施。ポリエチレン袋に米と水を入れ、沸騰した湯の鍋で炊いたり、卵2個とハム、チーズで「卵焼き」を作ったりした。災害時を想定し、ハムやチーズは包装されたまま、包丁の代用品として定規などを使い細かく切っていった。
参加者からは「普段、家で炊くご飯より柔らかいがおいしい」「卵焼きも、思いのほかハムとチーズの塩味がしみ込んでちょうどいい味付けになって驚いた」などの声が聞かれた。
講堂内に設置された段ボールベッドで寝心地を体験した河井飛成(ひなり)さん(小4)は「見た目はすぐにつぶれそうだが、意外と丈夫で驚いた」と話していた。