
5人の職人による作品展「アル千代」が10月3日~6日の4日間、古民家を改装した展示空間「アトリエ芳 Glass+α」(飯田市千代)で開かれる。
ガラス職人の目黒芳枝さんは数年前、東京と行き来しながら制作する拠点として千代の古民家を改装したが、「せっかくの空間がなかなか活用できていないのはもったいない」と感じ、展示会の開催を決意。知り合いの作家たちに声をかけ、共に展示を作り上げることになった。
コンセプトは「千代という土地の『或(あ)る・在(あ)る・有る』もの、空気や光、静けさ、人の営みに心引かれた『Artigianati(イタリア語で職人などの意味)』が、それぞれの表現で作品を展示する」とし、今回が初めての企画となる。
参加するのは目黒さんを含め5人。安曇野出身で千代に暮らす林あゆみさん(Glass Studio繭)は、色ガラスを自在に使いこなし、「繊細で詩的な作品」を生み出すガラス作家。「父の実家でもある千代で展示ができることをとてもうれしく感じた。静かで、季節の変化をはっきり感じられる場所」と話す。
千代在住のだまりこさん(あとりえ布楽里)は和服や古布を用いた洋服作家で、「暮らしに寄り添う温かな服づくり」を続けているという。中川村在住の澤田繁子さん(yurusuru)は日々の暮らしに自然と溶け込む優しい衣服を制作している。東京在住で金属装飾を手がける坂本恵美子さん(VENDEMMIA arte orafa)は、植物の造形から着想を得たジュエリーをイタリアで学んだ伝統技法で制作している。
東京で出展者全員が顔を合わせて打ち合わせを行い、それぞれの表現についてなど語り合った。「ものづくりをしている者同士、話が尽きることはなかった」と林さんは振り返る。展示会では、1人の作家につき約50点、全体で250点ほどの作品展示を予定し、販売も行う。
目黒さんは「千代は以前、人が集いにぎやかな場所だったと聞いている。そのにぎわいがまた戻ってくればうれしい。展示を楽しんでもらえたら」と来場を呼びかける。
開催時間は10時~17時。入場無料。臨時駐車場を用意する。