
山口達也さんの講演会が9月15日、飯田文化会館(飯田市高羽町)で行われた。主催は一般社団「法人飯田下伊那薬剤師会」。
当日は、アイドルグループ「TOKIO」のメンバーとして活躍し、現在はアルコール依存症の治療を行いながら、自身の経験を生かして講演活動を精力的にこなす山口達也さんを講師に迎え、「ゼロからの再出発」をテーマに講演。約1100人が耳を傾けた。
講演では山口さん自身がアルコール依存症へと陥っていく過程を、当時の状況を踏まえながら赤裸々に語った。5年前、飲酒運転で事故を起こし、医師にアルコール依存症は完治しないと宣告されたことで、山口さんは自分がアルコール依存症だということを受け入れた(認めた)という。今は酒をやめている日々を送る。
山口さんは「自分は意思が強い人間だったが、自分の力でお酒を止めることができなかった。依存症者は自分一人の力では止めることはできない」と話し、「自分でコントロールできないのが依存症の怖さ」とも。「今振り返ると当時は破綻していた」と心の問題にも言及。山口さんは最後に「過去と他人は変えられない。事実として全てを受け入れることで、自分を変えていく。今はこの病気になって良かったと思う」と気づきの大切さを説き、「今まで迷惑かけてきたから、真っすぐ生きるのが恩返し」と締めた。
飯田市内から訪れた女性は「いつ自分が依存症になるか分からない。量ではなく、ブラックアウトは自分にもある。自分は大丈夫ということでなく、お酒を飲む人だと自覚するのが大事だと思った。話を聴いて少し安心した」、同市から訪れた男性は「相手を変えるのではなく、自分を変えるという話は参考になった」と、それぞれ感想を話していた。